もう少しお待ち下され 6 | シンイ二次小説でんべのブログ

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ふふん・・・助かったと
おしゃいましたか?
さすれば最後の手を使うおつもり
でございますか?

奥よ、徳将殿を王座に
就いて貰わねば、儂が、、否
我名家は没落となるやも知れぬのだ
嫡男も次男も病死・・・
ビジャが頼りなのだ
分かるな?

キム家の早朝の二人の会話を
屋根裏から盗み聞きする
こちらも忍びである。
誰の指示を受けての行動かは
今はまだ分からぬいやはや
敵か味方かも正体不明であった。


王様!!
声を揃え王様の寝室に
ぞろぞろと入る面々
安堵の表情を浮かべるこちらは
間違いなく王様に仕える家臣である。

心配掛けてすまぬ。
余は大事ないと思うが
して、侍医とウンス殿
余はどうしたのじゃ?

はっ!そちらは医仙殿より
ご説明をして貰いますので
情けないかな、私では
何の事やらさっぱり分からず仕舞い
でして・・・。

ウンス殿?否、医仙殿?
余はどうなったのじゃ?
廁を済ませたなら幾分楽に
なったのじゃがのぅ~。

良かったです、王様・・・
ですが油断はならない状況でして
唐突ではございますが
天界へ行きたいと考えています
そして手術をし
皆で戻ってきたいと考えて
います。

て、天界とな?
余はそのなんやらをせねば
助かる見込みはないと申すのじゃな
・・・あい分かった
参ろうではないか
余はまだ逝く事は出来ぬのじゃ
王妃を一人残して・・・
それに世継もまだ故・・・。
皆、聴いて欲しい
誰が次王となるのじゃ?
徳将か?余はあやつはその器では
ないと思うておる。
ならば誰が次王となる?
おらぬであろう
一国の王が天界へ脚を踏み入れる
そんな罪深い事が許されぬので
あれば、世継を残し
王妃をおくりそれから余は
罰を受ける。
民の生きる術を作り
笑顔が絶えないそんな自国にせねば
なるまい、
よく思わぬ家臣も出ようが
余がねじ伏せてみせる。
共に護軍、医仙、もう一人は
そうだ、ドチ内官ついてきて
くれぬか?このとうり頭を
下げようぞ。

ウンスの世
すなわち天界と言われる世へ
行くと王様は覚悟を決められたよう
である。己の病と向き合い
一国の主としてやらねならぬ事が
まだまだあるとの切なる願い
と強い決意を示されたのである。

それからと言うもの
王様は家臣らをねじ伏せ
王妃様を名代としたのだが
無事に戻れる確約も出来ないのも
現実なのだ。

だがそれからと言うもの
ヨンとウンスは天門が開く日時を
連日連夜計算し、一月(ひとつき)
が過ぎようとしていた頃
王宮空き部屋から火の手が上がった。

火の手は瞬く間に
王宮内へ広がり
火消し隊が懸命に鎮火を試みるが
その勢いは収まる所を知らず
町屋の火消し組を王宮内へと
王命が下ったのであった。