出逢うまで(いつか必ず) 30 | シンイ二次小説でんべのブログ

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30

「父さん、母さん?
俺です。ヨンです」

「まぁ~ヨン君…わざわざ来て
くれたの?上がって頂戴
業者の人が五人程きてね…
見てちょうだいこんな派手な
玄関になったの・・・」

困惑顔の母親であり、今開けた
玄関をよくよく見れば
小さめだった玄関は大きく拡張され
戸口の両端には、硝子が入り
客の姿が見える。
もちろん極寒の地故の二段階式
玄関であるが。
赤く塗られた塗料が田舎には
不釣り合いであり、目立つこと
この上ないのだ。

「寒いでしょう。
上がって暖かいお茶?あ、コーヒー
がいいかしら?」

「いえ、母さん?
あらましウンスから聴いて
いたので、用意して参りましたので
先に玄関を塗らせて頂きますよ。
品がなさすぎますね。赤は」

「うふふ、その通りだわ。
薄い赤ならまだしも真っ赤よ
真っ赤!嫌がらせにしか
思えなくてね。
お父さんが今度の休みに塗り替える
と、言っていたんだけど
どうにもね~・・・」

母親の苦笑いにヨンは
手際よく塗り始める。
真っ赤な塗料の上から
茶色のスプレーを吹き掛け
見てる間に茶褐色に変身し始める。
幸いまだ渇ききっていなかった為
落ち着いた茶褐色に仕上がっていた。

「よし!これなら雪景色や
ここら辺の住宅地にも支障は
ありませんね?玄関はこのままで
いきましょう。間口が広くて
何かと使い勝手がいいと思います
から、あ、父さん?
どうですか」

「おぉ~ヨン君は何をやらせても
抜かりないんだな。
センス抜群だぞ。さ、上がってくれ」

仕事から急遽戻ったのか
スーツ姿の父親がヨンに声を
掛け、奥の間へと案内する。

「しかしな、母さんから
電話をもらって急遽戻ればこの
有り様さ。真っ赤だぞ、真っ赤!
田舎には相応しくないし
近所の目もあるんだ。
嫌がらせにしか思えないぞ
そう思わないか?」

「ドチ弁護士がきっと解決して
くれますよ。
父さんは被害届を取り下げて
ないんですよね?」

「もちろんだ。あんな男がはびこる
世では、この国が滅びる。
悪い事を重ね今の財を築いたに
違いない!俺は罪を認めるまで
戦うつもりだ」

「父さん。微力ながら俺も
協力させて頂きます。
そろそろ本気で戦はなければと
思っていた所なんです。
ウンスに危害がおよばないとも
限りませんから」

「ヨン君の一番はいつもウンスが
いるんだな…嬉しいぞ
な、母さん?」

「ええ、もちろんですよ。
我が家の娘がこんなに愛されて
孫の顔も見れたりするのかしら
ふふふっ」

『母さん…キスも頬にしか
してもらってませんって…約束は
守る男ですから』
そんな事をあれこれ考えていたら
ヨンの顔があれよあれよと
言う間に、真っ赤に染まりだした。

「母さん?見てみなさい!
ヨン君が可哀想だろうが・・・
すまないね、女親は気が早くて」

「・・・い、いえ・・・」

ヨンは下手な妄想をしていたので
あろうか、首を左右に振り
ようやく返事をしていた。
そんな時ドチ弁護士がウンスの実家を
訪ねてきた。

「ちょうどよかった。
帰りに寄る段取りでいました。
実は当事務所に圧力がかかりまして
表だっては動けなくなってしまった
んですが…僕は引き下がりませんよ
金に物言わせたあいつのやり方
気にいりません。
事務所経営者の信念は人の心に
寄り添い、力のない者にこそ
手を差しのべ、我々が明るい未来を
提供できる礎であるべきと言う
考えの持ち主なんです。
で、ですね?ヨンさんとタックを
組みたいと思いまして警察にも
良き仲間が沢山いらっしゃいます
よね?是非僕に力を貸して
頂きたいんです。手始めに
これはあいつらが話していた内容を
録音したものですが、入手先は
不問にして頂きたい」

そう呟きボイスレコーダーを
テーブルの上に静かに置く。
その内容を確かめると
そこには目を見張る声が収録されて
いた。あの有名人がと・・・。

「この声の主が分かりましたね?
そうですイ・ミョンゴン氏です。
こいつが繋がっていたようです」

「なるほどな、言い値か・・・
こいつの総資産はどのくらいなんだ
?全額吹っ掛けてみるのも
良いかもな」

「父さん・・・」

「冗談だよ。ヨン君
俺は示談なんてしないさ」

そこに集うみんなが笑みを
浮かべる中、ヨンの瞳がキラリと
光るのであった。


・・・・・

あらら😅ヨンに妙案が浮かんだの
かしら?いざ、決戦へ向かいますよ。

一つ前にお知らせがあります。
皆様ご参加お待ちしております。

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