鈴蘭 79 | シンイ二次小説でんべのブログ

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都の民が王宮前へ
集まり出したのは十五日早朝の
事であった。

皆思いの丈を口にする。
「わしは大護軍に一票」や
「私は重臣の誰々に一票」
と、実の所両班である重臣らは
民の心を掴むべく、民に金子を
握らせ、己自身を売り込んだ者も
出ていたのだ。

そして日が出始めた頃には
投票が始まり、禁軍が総出で
聞き取りが始まる。
読み書きが不十な者が大勢いる
為、一人一人に誰に投票するかを
聞き取りするのだ。

・・・・

「まだかのぅ~・・・
余と王妃は、民の象徴となるのだ
そうだ…象徴とは如何なる物か
検討も付かぬが、これで余も王妃も
トウも静かに過ごせると言うもの。
王宮から遠くへ出向き、旅もできる
と、言うものじゃ。
いつかの様に、天界に赴くのも
良かろう」

「うふふ…ほんに・・・
あのまばゆいばかりの世に
また行けるのでございますか…
楽しみにしております・・・」

王様…王妃様は新しく
増設させた殿、御二人の頭文字を
なぞり 恭魯殿(きょうのでん)と
命名させたのである。
後の世にも語り継がれる
仲睦まじい夫婦の表れと言えるのか
定かではないが・・・。
その殿で微笑み合う姿は絵画では
ないのかと見間違えるほどだ。

日が真上に上がる頃
にわかに王宮が騒がしくなり
始める。
王宮内を小走りに駆けるアンドチ
内官の姿を誰もが目にし
結果が出たのだろうと確信する。
内官が向かう先は 恭魯殿である

「王様…わたくしです」

「待っておったぞ。入りなさい」

「失礼致します…王様・・・
次王と王妃が民の選出により
決まりましてございます。
次王にはチェ・ヨン。
次王妃にはユ・ウンス。
っと、結果が出ましてございます」

粛々と投票結果を述べる内官に
「うむ、うむ」っと頷き
王様は満面の笑みを浮かべながら
康安殿へ向かうべく王妃様を
伴い、腰をおあげになる。

大勢の家臣らが顔をつき合わせ
不満顔で暴言を吐こうと
王様のお出ましを待ち構えて
いたのである。

「もう王でもないのだな!
恭愍殿、我々両班は
如何にすべきなのだ!!
民の審判が下ったのであろう」

「そのようじゃ、お主らは
新王の臣下に相応しいのか
よう考えてみよ。
この地は民に寄り添い
身分は撤廃、民が豊かになり
より良い国作りを目指すのじゃ
余は新王が尽力を尽くしてくれる
そう信じてやまぬ」

「なれど…身分撤廃など
我々は到底承服しかねます。
どれ程この国のためにと
身を粉にし役目に邁進してきたと
おおもいか!」

「・・・クックッ…己の欲の為に
の間違いではないのか?
身分の格差はあってはならぬのじゃ
後世に引き継ぐべきではない。
民も生きる権利があり
お主らの奴隷ではないのだ!
これから先は新王のお言葉を
聴くが良かろう。ドチ!お入り
頂きなさい」

歴史が変わる瞬間である。
恭愍王は民の象徴となり
ヨンとウンスが
王様と王妃様になるのだ。
煩わしい身分の壁を取っ払い
悪しき習慣を絶ち、後世への礎を
築き、官民一体の国作りの始まり
である。

ドチ内官が戸口を開けると
武将姿のヨンと、白衣姿のウンスが
きりりっと前を見据え登場した
のであった。

ざわざわっとどよめき立つ康安殿
新王の手には剣が握られ
新王妃の首には聴診器もどきが
ぶら下がっていたのだ。

「ささ、王は玉座へ」

「いえ、玉座には座りませぬ。
その席は、恭愍王がお出ましの折
お座り頂く席にて、某はこちらで」

玉座の隣で護衛するかの様に
ヨンは立つ。横にはチュンソクら
ウダルチが護衛する。
ウンスはと言うと魯国公主の横に
微笑みを浮かべながら付き添う。

二人の様子を盗み見ると
どうやら、王と王妃になっても
姿勢は変わらぬらしい。
チュンソクやトクマンらは
ほっと胸を撫で下ろす場面が
見られた。

「某、民の審判が下り
恐れながら恭愍王や先代王が
築きあげた高麗を先の世へと
続く礎を作り上げる所存。
某の思いは、民に寄り添い
民が潤う国作りを目指す。
無論、戦があれば自ら赴き
この国を護る覚悟故何人たりと
口出し無用」

「て、チョ…王様・・・戦は
我々におまかせ下さり
王様は王宮にて指示を出して
頂ければよいのでございます。
王様が戦に赴くなど
前代未聞でございますれば
何卒お考え直しを…」

「チュンソク。俺は誰よりも
強い故案ずる事はないと
思うが・・・」

「おぉ~頼もしい限りじゃ。
では王となっても指揮官に
留まる事なく自らその先頭に立ち
高麗を護るつもりなどだな。
宜しく頼んだぞ。
して余の名称はなんとなるのじゃ」

「はっ…恭愍王には天皇となって
頂き、民が崇め王が崇める天空人と
なって頂きますれば
ご覚悟召されませ…容易く
ご引退はさせませぬ」

「手厳しいのぅ~~・・・
なれば王妃の名称はどう変わる
のじゃ・・・」

「はっ、王妃様には皇后となって
頂き、同じく天空人となりますれば
ご理解頂きたくお願い申し上げます」

愛しいヨンの想いを耳にし
ふぅ~~っと大きく息を吐くウンス
後世に名を残すお二人が
これからも高麗の為に民の象徴と
なり、存在し続ける事に
感銘を受けていたのである。
つい先日に独り言のように
呟いた隣国でのあり方が自分は
好きだと言った事を思い出し
覚えていてくれた事に
満面の笑みを浮かべるのであった。


・・・・・

皆様こんにちは。

更新が空きすみません。
忙しくしていてヘロヘロです。
毎日2時間残業土曜日も祝日も
仕事です・・・いつまで
続くんや~~っと叫びたい
程です。でも後少し頑張れば
五連休です!どこも行かない
行けないゴールデンウィークです
が…。

さてヨンが王様とウンスが王妃様に
なってしまいました。
この二次小説は空想のお話ですので
史実には基づいてはいません。
あしからずご了承くださいませ。
飾らず気取らずのヨンとウンスの
王様、王妃様です。
いつか描いてみたいって
今は亡き師匠と話していたことを
思い出します・・・。
(てんてんmamaさん~~
やっと描いたよ~、読んでくれた?)


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