鈴蘭  78 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「えっ?ヨンが市中に?
なんでよ!なんでおいてけぼり
なの?ねぇ、テマン?
教えてよ」

ヨンが市中へ出向き戻りが
遅くなるやも知れぬっと言伝てを
伝えに典医寺へ顔を出した
テマンに、詰め寄るウンス。

「じ、侍医…お、おれは何も
聴かされてないんですってば!・・
ただ遅くなるようなら
屋敷まで送ってやってくれと
言われただけで・・・」

「王様の触れが原因なの?
まさか、即日貼り出されるなんて
王様の本気が見える気がするわ。
…と言う事でテマン君!私も
行くから付き合って頂戴
嫌なら一人でも行くんだから!」

「だ、だ、だめです!
おれが叱れますから侍医は
屋敷に戻りますよ!!」

「えっ?…あ、はいはい!」

ニヤリっと笑みを浮かべるウンスに
テマンは嫌なら予感がしていた。
片時もウンスから目を離さず
ピタリと後ろに張り付く。
市中に脚を踏み入れると
夕げの刻限にも関わらず大勢の民が
あ~だこ~だっと賑わっていた。

「すごい人がいるわ。
もう少しで日が暮れると
言うのに」

「あ、あの方、大護軍様の
奥方様じゃない?ちょっと待ってよ
・・・このせんきょが終わったら
国母になられるお方よ。
どうしましょう…私…心の臓が
止まりそう」

「そ、そうだわ。侍医様よ!
美しい・・・きゅぁ~みて見て!
あの柱の陰にいらっしゃる人影は
大護軍様よ~~!!」

「「「・・・!!!」」」

若い女人に限らずその叫びに
その場にいた民が一斉に歓喜の
声をあげる中
抜き足差し足忍び足で市中を
歩くウンスではあったが
その賑やかな気配に誰もがその
存在に振り向く程である。

ヨンもまた誰よりも早く
愛しいウンスの気配に気づき
顔をしかめその姿を見ていた。

「全く・・・」

「テマンが困り果てておるので
ございましょう…頭を掻きむしって
おる様子・・・
如何いたしましょう?」

「チュンソク…民の声が聞こえた
であろう・・・俺は民の筆頭に
立ち、我が国を護ると決めた。
そして王様には象徴になって
頂く。ウンスの世では
そのような仕組みがあると
耳にしておる故、この選挙に
俺は立候補する。
無論俺の補佐はチュンソク…
お前だ!」

「へっ?某もりっこうほとやらを
せねばならぬのでございましょうか
某には恐れ多いことにて・・・」

「つべこべ言わず行くぞ」

ヨンはチュンソクの言葉を遮り
民に囲まれ
身動き取れなくなっていた
ウンスのもとへとヨンは駆け出す。

「あ、あの…屋敷へ戻りたいだけなん
ですが・・・
通していただけません?」

「侍医様~私らがお送りします~
直に、日が暮れますし危ないです」

「そうだ!そうだ!!」っと
頷く民にすっかり辺りを囲まれ
身動き取れず仕舞いである。

「うふふっ…大丈夫ですから
弟が一緒ですから、お気遣い
ありがとうございます。
さぁ…テマン屋敷に戻るわよ」

「へっ?あ、はい!」

ウンスはそう呟くとテマンに
手を差し出し片目をパチンっと
瞑る。初めての仕草に戸惑う
テマンではあったが、直に
その意味を飲み込み飛び回る勢いで
声を張り上げその手を掴もうとした
途端、その姿はウンスの視界から
消えた・・・。

「戻りますよ」

「えっ?ヨン?。テマンは?」

大柄なヨンの背後を右に左に
テマンを探す仕草をするウンス…。

「テマンなら兵舎に戻りましょう。
案ずる事はありませぬ…
屋敷に戻り
俺の話を聞いては貰えぬか?」

「ええ…分かったわ。
うふふっ…ヨンと市中デートね。
嬉しい!」

市中デートを楽しむように
二人は腕を組み遠巻きに
見つめる民をもその視界には
入らぬのか、時に見つめ合い
時にヒソヒソと言葉を重ね
屋敷に戻るのであった。


屋敷に戻るとヨンは
ウンスの二親にも己の決意を
口にする。王に立候補すると。
そしてウンスには王妃となり
側に居て欲しいと・・・。

「ええ…ヨンの気持ちは
伝わったわ。じゃ私も立候補するわ
…王様には国の象徴になって
頂くのね…素敵だと思う」

「ヨン君が王様になり
ウンスが王妃様になってしまえば
屋敷には住まなくなってしまうん
でしょう・・・?
寂しくなるけど、あなた方
二人ならきっと高麗を、そして
この先続く未来の礎を築いて
くれると信じているわ。
でも・・・たまには会いたい…」

「父上、母上様にも王宮に
住んで頂きたく思っております。
先の世からウンスを案じ
来て頂いたのです、我々の側で
お過ごし下され」

「えっ?ヨン良いの?
アボジとオモニも一緒で…
・・・ありがとう。
当選してからの話だけどね」

「アハハッ、そうだな。
先ずは当選してからだな」

親心も十分理解しているヨン。
共に、王宮でとの申し出に
嬉しい反面恐れ多いと恐縮しきり
であった。
それから立候補者と推薦者の
名簿が貼り出され広く民に
知れ渡ったのは選挙日前日の
事であった。


・・・・・

皆様こんにちは。

リアル十五日には間に合いません
でした~~💦
次回は王様が決まり王妃様が
決まります!
(この二次小説は史実とは異なり
私の妄想ですので、ご理解
頂きます様お願い申し上げます)

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