鈴蘭  77 | シンイ二次小説でんべのブログ

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高麗に戻った頃には
再び半月が過ぎていた。
王宮では上へ下への大騒ぎ
であった。王様、王妃様と高麗軍の
要である大護軍、奥方であるウンス
が忽然と姿を消したのだから
当たり前ではあるが。

そこへ何事もなかったように
康安殿へ、王様と王妃様が現れ
重臣らは駆け寄る。

「王様!王妃様!御無事で何より
でございました。我々重臣は
夜も眠れず案じておりましたので
ございます。どちらにお姿を
御隠しなされておったので
ございましょう」

「うむ…ちいと療養にの・・・
湯治に出向いておったのじゃ
人里離れた場所ゆえ大護軍と
侍医にも同行願ったまでじゃが。
内官には伝えておったが
聞いてはおらぬか?」

「アン殿には湯治とだけ
聞いてはおりましたが
どちらに出向いたかは知らぬと
解せぬ対応ばかりでして
埒があかぬと我々は肝を冷やして
おったのでございます」

「まあよいわ。ちょうどよい
機会である、皆話がある
腰掛けよ!・・・来る卯月十五日
選挙を執り行うものとする。
民の一票が王を決め重臣を決め
王妃を決める。そのような仕組み
である!我こそはと思う者は
立候補するがよい!
推薦でもよいのだぞ。
余は王位を退き開かれた王室を
目指すつもりじゃ。
民意が一国の主を決める
官民一体の国造りを目指す。
貧しき者、身分の低き者…分け隔て
なく接する事ができる国造りじゃ。
ドチ!そのように市中に触れを
するのじゃ、読み書きが苦手な
民の為に、番所の役人を常勤させ
説明させよ」

「チョ、王様!!
御戯れは・・・」

「黙りなさい!余は決めたのじゃ
後の世の為にその基礎を築く
それが余に課せられ最後の役目じゃ
これ以降不満を口にするもの
断じて許さぬゆえそう心得よ!」

王様は重臣の言葉を遮り
語尾を強めそういい放つと
王妃と共に退室なされた。
残された重臣らはアンドチ内官に
詰めより詰問する勢いで問いただす

「王様は何をお考えでいらっしる
のだ!!我々両班を
蔑ろにするおつもりなのか!
せんきょなるもの如何なる仕組み
なのか、詳しく説明せよ!」

「方々落ち着きなされませ。
方々が一国の重臣に相応しいと
お思いならば立候補すればよい
だけの話。是非とも民の審判を
仰がれなされませ、期待して
おります故」

アンドチ内官は詰め寄る重臣らに
やや呆れつつもそう言って退け
これで一国が変わるとふっと
肩を荷をおろしたのやも知れぬ。

王命は即日中に市中に貼り出され
役人が要所要所に配属され
読み書きが不自由な民に丁寧に
説明する姿が
あちらこちらで見られていた。
その役人の解説に民は一喜一憂し
嘆く者もおれば喜びを身体
全体に表す者もいる。

「王様がお辞めになる?
うっそでしょう・・・
この国はどうなってしまうの?
それでもって
私らがせんきょで決めるなんて
なんだか罰があたりそうよ」

「そうかい…チョ、チョナが
あんた?立候補するかい?
卯月十五っていやもう少しじゃ
ないかい…こりゃ~国を上げての
大騒ぎさ!!」

「わしは大護軍様を推薦するぞ。
あのお方が王様になればよ
腕もありのきっと文官の技量も
大いにあると、わしは読んだぞ」

市中は朝夕寒さが残るこの時節
ではあるが、日が真上に昇る頃には
陽気につられ、散歩する者や
夕飯の食材を買い物する者で
賑やかであり、そんな中での布告に
各々の想いが交差しより賑わいを
ますのであった。

一方王宮では・・・。

「俺は大護軍が王様に相応しいと
思うんだけど、皆はどう思う?」

「そりゃ、我らが尊敬する大護軍が
王様になった暁にはどこまでも
お供する覚悟!・・・だけど…
王様が自ら戦に赴くなどあって
いいのか?もしもだぞ
戦で殺られたらどうするんだ?
バシッボコッ・・・誰だよ!?」

兵舎ではチョモの問いにトクマンは
眉をあげたり下げたりとまるで
百面相の様に顔色を変えていた
所に、眉を上げ鬼の形相のヨンが
現れたのである。

「暇か!鍛練に付き合うが!」

「ひぇぇぇ~~~」

ぶるぶるっと首を振り逃げたす
トクマンとウダルチ兵士らで
あったが、そこへチュンソクが
ひっこり顔だしヨンの側により
恐れながらと問う。

「大護軍、我々は大護軍のお心と
共にあります故、お心が向くままに
己の信念を貫き下さいませ」

「・・・」

「市中はごった返しておると
繋ぎが参りましてございますれば
如何なる手立てを?」

「チュンソク…市中に参る。
民の想いを耳し、腹を括る」

「はっ!お供致します」


ヨンはそういい駆け出す。
その胸のうちに秘めた想いは
如何なるものか、今はまだ誰も
知る由もなかったのである。


・・・・・

おはようございます。

我が県では桜も散り
すっかり春の陽気と
なりつつあります。
卯月は勿論4月ですが
我が国の暦を引用して
いますのでお話と言う事で
ひろ~い心でお読み下されば
幸いです。

ヨンはどうするのかな?
リアル十五に更新できれば
いいな~~✴

仕事も相変わらず残業繋ぎで
土曜日も出勤しています。
流石に疲れました・・・Σ(ノд<)
このご時世、還暦回った婆さんが
雇い止めにならず仕事があるだけ
ましなんだと、思いつつ
頑張っております。はぁ~・・・。
有給が取りたい!!
平日一人でいたい!
日曜日は休みでも旦那が居れば
休みにはならん!!!
おっと失礼・・・心の声が
指先から溢れ出ました(笑)

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