鈴蘭  39 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「まだかのぅ~、まだかのぅ」

明け方破水したとの連絡を受け
坤成殿へ赴き、既に日は暮れ
辺りは暗闇に包まれていた。
蝋燭の灯りがゆらゆらと揺れ出し
随分と時が過ぎた事を
ものがっていた。
そんな中、王様は独り言を呟き
ながら、右往左往するばかり
であった。
見かねたおそば付きの
アン・ドチ内官が己の体験を
口にするのである。

「王様…我が妻の折には
初めての赤子が生まれし時には
二日の時をようしましてございます。
考えますに、初めての子は
長くなるのだと思うのでございます。
次の子は、二刻程で
生まれたと記憶しておりますれば
王妃様におかれましても
やはり時が掛かると思う所で
ございます」

「なんと!二日とな・・・
王妃は二日も苦しまねばならぬのか
?。まさに女人の戦じゃ・・・
余は何をすればよい??
握り飯を作り持って行けば
よいか?」

「いえ…おのこは待つのみで
ございましょう。
王様も例外ではございませぬ故
気をお静めになり待つのみで
ございます」

「ドチは何時なんどきでも
冷静沈着であるな・・・。
余も見習わねばならぬの」



王様の警護はチュンソクに抜かり
ないよう指示を出し、己でも
蟻一匹も通さなぬ態勢をその目で
確める。等間隔に前を見据える
迂達赤と、王妃様産所前には
チェ尚宮を筆頭に武閣氏がにらみを
利かしている。
王宮だからと気が抜けないのが
現状である。

「なんじゃ、お前は。暇か?」

「・・・」

「なんとか返答せぬか!」

「どうなっておる…?」

「王妃様の苦し気な声が漏れ聴こえる
が、まだ掛かると思われるぞ」

「・・・」

王妃様寝所を産所としたため
普段はおのこは立ち入り禁止では
あるが、此度は特別な配慮である。
厳しい鍛練を積み重ねた武閣氏でも
悲しいかな迂達赤の面々には
劣るのが現状であり、此度はチェ尚宮
自ら大護軍である甥に、産所の警護も
頼むべきかと思案している所で
あった。

「我々武閣氏と迂達赤が手を組む
のも悪くはないと思うが
お前は嫌か?」

「叔母上、何を藪から棒に
言い出すのだ?
王妃様も大事ではあるが
俺の一番はウンスなのだ。
あの方の力になればとここに
おるだけ故気にせずともよいが」

「・・・そうか…お前の一番は
ウンスか…だがな!・・・」

「オギャ、オギャ…オギャ~~~」

その時、叔母の小言を遮るように
元気な赤子の鳴き声が辺り一面響き
渡ったのであった。

「生まれたようじゃ!!そうか
そうか・・・」

何事にも気丈に振る舞い
何が起ころうがその身を呈して
王妃様を御守りしてきたチェ尚宮が
顔を両手で覆いながら膝から
崩れ落ちたのである。
そんな姿を甥であり唯一身内である
ヨンでも初めて見る。

「お、叔母上・・・」



「王妃様…よく頑張りましたね。
元気な男のお子様ですよ
おめでとうございます。
誰か王様に知らせてくださいね
私は産後の処理がありますから」

「は、はい」

医女が別室へと小走りしようと
する中、戸口より王様の声が
聞こえる。

「侍医?王妃は無事か!
赤子は無事か?」

「はい、王様…若子様のご誕生で
ございます。おめでとうございます
王妃様も健やかでございます。
もう少しお待ちくださいませ
ご対面して頂きますので、うふふっ」

「相分かった。ここまで待った
のじゃ…辛抱するとしよう。
んっ、若子と申したか?
王妃!でかしたぞ。
余も王妃もこれで肩の荷がおりると
言うもの…ようやってくれた。
侍医?王妃の為に
鰻を用意してあるのだが
支度させてもよいか?」

「滋養強壮にはもってこいですね。
鰻なんて王様のお立場じゃなきゃ
手には入らない品物ですから
きっと王妃様も
お元気になられるますよ」

下級階層の民は鰻など滅多に
口にはできない時代…。
高価であり、市場には出回らない
代物であったのだ。
それをいともたやすく手に
入れたと口にされる王様に
ウンスは驚きながらも
王妃様を誰よりも気遣う
王様の心根に触れた気がする
ウンスであった。


・・・・・

子細は次回に。
暑い!外にでたなら猛暑とコロナで
自宅で日々過ごしておりますが
お女中が忙しい!ムカつく!
こらっ!旦那よ!!!あんたも
手伝え~~~💦。


アメンバー申請の窓口は
閉じております。今まで一度も
閉じたことはなかったんですが
「アメンバー申請について」の
記事を読んでくださらない方が
多く、申請だけして
メッセージもなく、それに対して
記事をあげても何の音沙汰もなく
疲れました。
しばらくは開けるつもりは
ないです。ご了承の程
宜しくお願い申し上げます。


でんべ


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