鈴蘭  25 | シンイ二次小説でんべのブログ

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あれから七日ほど過ぎ
高麗初の医術を受けていた患者
「柳」お爺さんも床から
上半身をお越せるまでに
回復していた。

「そうね~今日で退院しても
構わないけど、お爺さん?
行くところあるのかしら
ちょっと聞きたいこともあるのよ
だからね…うちに来ない?」

「とんでもねぇ…おらは
里さかえるさ・・・でもおら
払う銭ねえけど…きっと・・・
いや必ず持ってくるから
少しだけ待ってほしいんだ」

「あ、それは気にしないで
王様がね…生活困窮者からは
取るなっておっしゃってくれたの
すごいでしょう? 恭愍王は
太っ腹なんだから、うふふっ」

「だども・・・」

「それにね、チェ屋敷も使用人って
立場の人がいなくて、困っていた
ところだし、あ!私自身は
人間はみ~んな平等って考えだから
使用人とかね、差別するつもりは
ないのよ」

ウンスは笑みを浮かべながら
そう答える。実の所は
「柳」っと名乗ったこのお爺さんが
自身のご先祖にあたる人なのか
それが知りたいのである。

その日の夕刻、ヨンと愛馬の
チュホンに股がり家路を急ぐウンス。
むろんその後方には、テマンと
お爺さんの姿もある。

「おじいさん?ほ、ほんとうに
侍医のみうちなのか?
なんだか不思議だな・・・
侍医がいまいるのは、おじいさん
そのまたおじいさんがいたから
だろう…侍医も大護軍も
すごい人だからきっとなんとか
してくれるさ・・・だから
安心して屋敷に居たらいいさ。
大護軍は、おれにも兵舎から
荷を纏めて越して来いって
言ってくれたんだ。
あ!おれテマン、大護軍の私兵さ
よろしくな」

「はぁ・・・おらユ、ユヌ・・・
もう五十になる…おらに勤まるか
心配だ」

「おれも手伝うよ。
ユヌじいさんって呼んで
いいか?おれもテマンでいいし
へへへっ」

ほんのわずかな手荷物を小脇に
抱え、テマンは照れくさそうに
ツンツン頭を掻いていた。

そんなやり取りが耳に届き
ウンスがヨンに話かける。

「ねえ?あの二人も仲良く
やってくれそうね。
段々家族が増えてなんだか
幸せな気分よ。
ほんとうにありがと
これでも感謝してるんだから
・・・うふふっ」

「家族か…俺はウンスがおれば
それでいいが」

「駄目よ。これから先
子どもができて、孫ができて
私たちが白髪が生えても
仲良く生きて行くんだから
ヨンは大変よ。
この先ずっとこの地を安泰に
導いてくれなきゃ」

「俺の子を産んでくれると?」

「うふふ、やっぱり一姫二太郎が
理想かな…チェ家の跡取りは
授かりたいと思うのよ。
でもこればかりは授かり物だから
・・・・・。
話は変わるけど婚儀の式場は
どこなのかな…何も聞かされないし
花嫁衣装もどうなっているのかな
二人でひっそり婚儀をあげるのも
素敵よね」

ウンスは照れくさそうに
頬を染めちらっとヨンを見上げる。
その仕草にヨンも応えるように
その細く華奢な腰をぎゅっと抱え
呟く。

「婚儀は王宮の大広間でと。
ウンスは今や侍医となり
俺は大護軍の身分故、今日付けで
王命が下された・・・。
当日衣が届く手配となっておる
ゆえに案ずることなどない」

「王命?・・・ありがたいのか…
私たちの婚儀なんだけどな・・・
典医寺の人は? 迂達赤の人は?
出席できるのかしら」

「案ずるな。
王様の護衛で迂達赤は配置に付くし
典医寺の面々は、王様や王妃様が
退室なされたら招くことになる故」

「うん…分かったわ。
こんな話をするともうすぐなんだと
実感が沸いてくるし、今から
緊張してしちゃうわ」

チュホンに股がり会話が進むと
屋敷が見えてくる。


・・・・・

「お父さん?あと一週間だわね
ウンスの花嫁衣装って
ウェディングドレスなんて
どうかしら、白いレースで
胸元も覆われすごいきれいよ
あの子は色が白いからきっと映える
と思うんだけど」

「母さん…高麗時代の本を
読んだだろう、旦那以外肌を見せない
そんな風習があるんだぞ
きっと、チマチョゴリだと思うぞ」

「ええ読んだけど・・・
花嫁の親として何かしてあげたい
じゃないの…いっそのこと
高麗で余生を送る?
旦那様のチェ・ヨンとウンスと
四人で暮らしてみるのも悪くは
ないと思うのよ」

「う~ん・・・戦争ばかりで
母さんを守れるか自信がないぞ
それにな、私らがいたら
ヨン君が大変だろう、ウンスを
守り、私らを守り、王様を守り
負担が半端ではないんだぞ
チェ・ヨン将軍はそんな男だと
思うし、そんな負担背をわせる
訳にはいかないだろう…。
私らは時々お邪魔すればいいのさ
ウンスが子を産む時だろう・・・
そこは絶対外せないな」

「気が早いわね.まだ先のことよ。
・・・電気もない時代だから
何を手土産にしようかしら・・・
それと戸籍謄本は必要ね
役所に行って来なきゃ。
お父さん?善は急げよ
お昼ご飯食べたら車出して頂戴」

「謄本なんてどうするんだ?」

「私たちのご先祖様を辿るんじゃ
ない。きっと高麗時代にもいたはず
よ。あ~~もっと早く気がついて
いたら、時間が掛かるとおもうわ
間に合うかしら・・・」

娘を嫁がす両親の思いは複雑である。
ましてや、時空をこえた過去の世
現代では考えられないことながら
娘の幸せを切に願うのである。


・・・・・
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