鈴蘭  23 | シンイ二次小説でんべのブログ

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柳…確かにそう聞こえた
痛みに耐え気丈応えてくれた主は
再び眠りについている。

「医仙殿?どう言うことか・・・
この患者はもしや・・・」

「あなたもそう思う?
私もそう思うのねよ。
柳って言ってたわよね??
聞き間違いじゃないわよね…
きっと私のご先祖様・・・でも
ご先祖様が奴碑だったなんて
複雑な心境よ・・・」

王様や王妃様などおらぬ世。
市民はみな平等である世で育った
ウンスから言わせれば、この時代の
身分制度は納得出来ないが
大切な両親の何代前にあたるのか
は定かではないが目の前に
眠るお爺さんの深く刻まれた皺や
白髪混じりの頭髪さえいとおしく
思いながらじっと見つめ佇む
ウンスであった・・・。
そんなウンスの心情を察し
ヨンが優しく声を掛ける。

「詳しく調べる故案ずるでない」

「・・・あ、ありがと・・・」

「この者の治療代はどうする
おつもりですか!
ここは典医寺!王様より典医寺を
預かる侍医といたしましては
見過ごす訳にはまいりませんし
市井の診療所とは
訳が違います。払えるのですか?」

少し気分が落ち着いたのか
典医寺長としての威厳を保ちたいのか
天幕を開け語尾を強めながら脚を
踏み入れ口にする中、チェ尚宮が
厳しい顔つきでこえを張りあげる。

「もはやそなたは侍医の職に
あらず。荷を纏め即刻立ち去るが
よかろう。これは王様より預りし
任命書であるが、侍医の目の前で
破棄するようにと言われておる故」

っと、びりびりに破り侍医の脚を
止める。

「チェ尚宮殿…真に王様のご指示で
ございますか?わたくしめに
なんの落ち度があったと申すのです
身を粉にし役目に邁進して
参ったわたくしを・・・」

「これより王命である。
「典医寺は民の笑みを守る為
民に広く解放し
すべての患者を受け入れる。
今より侍医は医仙とし、余を含めた
者すべて病に侵されたなら
侍医の指示に従うものとする。」
王様はすべてお見通しであった
ヤン侍医の人を見下す
振る舞いに、お心を痛めていらした
ご様子にてのぅ…典医寺での医仙殿
との不仲が致命的であったと思うが
王様は、以前王妃様を救った
医仙殿に国医をとも思っていらした
ようじゃが、その重圧が女人の肩には
さぞかし重かろうと侍医として
この地に留まり大護軍とともに
揺るぎなき高麗の行く末を
安泰に導いて欲しいとの
仰せであった…
ありがたく受けられよ」

「私が侍医ですか・・・」

いつのまにやら天幕から
ヨンが片膝をつき、ウンスは
その隣に戸惑いの顔をさせ
ぼぉ~っと佇み、王命に耳をかして
いたのである。

「叔母上、しばし返答は待っては
もらえぬであろうか?
俺とて寝耳に水、この方とて同じ故
二人で話を・・・しばし時を
くれぬか」

「そうであろう・・・王様には
お伝えしてはおくが
これは王命故わかっておるな」

王命・・・逆らうことは許されぬ
絶対的効力のある命令にて
二人がどんな結論を導きだすのか
待たれるところである。

チェ尚宮が典医寺をあとにし
ヤン侍医の姿もいつのまにやら
そこにはなく、残る医員もおれば
ともに去る医員もいる中
ウンスが口を開く。

「ヨン…私に侍医なんて勤まるの
かしら、民に解放して
くださったことは感謝しているのよ
でも…患者が押し寄せた時
これだけの医員じゃ・・・」

寂しそうに辺りに目をやると
三人しか残ってはいなかった
のである。

「ねぇ…トギはどうしてるの?
トギがいれば千人力なんだけど」

「侍医と折り合いが悪く
典医寺を去り、市井で薬房を開いて
おると聞いておるが居場所までは
把握してはおらぬのだ。
役目終わりにマンボの店を訪ねて
みるか?マンボなら知っておるやも
知れぬ故」

「うん!行きたい連れて行って」

それから「柳…」と名乗り
気を失った患者の具合を気にし
ながらもウンスは少しの間ならと
急ぎマンボの店へと
急いだのであった。


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