ちびウンスはやんちゃ盛りの
五歳になり、親の目を盗んでは
脱走し江南の街を徘徊するのを
楽しんでいた。
共働きの両親が帰宅するのは
午後六時と決まっている為か
それまでにはちびウンスも
決まって帰宅し、大人しく
お留守番していたとちょっぴり
嘘をつき笑みを浮かべ出迎える
のであった。
「ちゃて!きょうはどこにいこうかな
あ!このまえみつけたどうくつを
さんぽしようっと」
江南の街から少し離れた所にある
小高い丘の裾に、ぽっかり開いた
洞窟を見つけたのが、先日のこと。
その時は勇気がなかったが
ついに好奇心が勝り
洞窟へと足を踏み入れたのである。
「わぁわぁまっくら~、それで
もってせまい~」
そんな独り言を呟きながら
ちびウンスは狭い洞窟の中を
四つん這いになりながら
先へ先へと進む。
「あっ!あのひかりはでくちかな
ふぅ~よかった!」
洞窟を抜けたどり着いた先には
見たこともない景色が広がる。
「あんっ・・・ここはどこ?
てれびのさつえいかなんかして
いるところにまぎれこんじゃった?」
テレビカメラを
探しているのだろうか…
ちびウンスは大きな瞳を
キョロキョロと動かし、辺りを
見回すが・・・。
そこへひとりの少年が顔を見せる。
「に、女人っ!誰だ!
人の屋敷に勝手に入り盗人か!」
「きゃっ~びっくりした!
あなたこそだれよ、ちんぞう(心臓)
おくちからとびだしたら
どうするのよ…まったく」
長い髪をくるくると頭のてっぺんに
ひとつにまとめ半ズボン姿の愛らしい
ちびウンスとは対照的に
ねっとりとした夏の暑い時期にも
関わらず濃紺のパジチョゴリを
身に纏い同じ年頃と思われるその子
顔を真っ赤に染めくるりと背を
向けてしまった・・・。
「ち、ちっと~~
あなたはだれ?ぬすっとって
なあに?あたちのおうちはどこ?」
「・・・」
「ちっと~きいてまちゅか?
それにここはどこよ~」
「高麗…人に名を尋ねる前に
その姿をどうにかしろ・・」
その言いぐさにカチンっと
きたのか、ちびウンスは
むぎゅっと、その腕を掴み
こちらに振り向かせる。
「ちっと~ふつうのかっこうだけど
なにがわるいのよ!!
しつれいなこどもね~~
あたまにくる~、それにあたちの
おなまえはウンスっていうの
でもねおぼえておいて
れでぃにきくまえにまずは
じぶんのおなまえいうのが
しんしってもんでしょう??」
「僕の父上は、高麗で鬼神と言われ
百戦錬磨のチェ・ヨンなんだぞ
あんたのような生意気な女人は
ぽいって摘まみだされるからな」
「あははっ…だからぁ~あなたの
おなまえをきいてるの!
それにちちうえって、へんなの」
「僕は・・・ソマン
由緒あるチェ家の嫡男なんだぞ
今から父上を呼ぶからな!ふんっだ」
ちびウンスにちらりと目をやると
頬を膨らませ
すぐに屋敷へと駆け出して
行ったのである。
「あしはやっ!となりのくにの
にんじゃみたい」
いつか観たテレビドラマを
思い出したのか、ちびウンスは
口をぽかんっと開きそう呟き
その小さな背を見送りながら
盛大にため息をはく。
・・・・・
新年明けましておめでとうございます
年越しイベントのお話ですが
『続』が付きます😅
続きは本日10時にアップとなります
『完』までお付き合い頂ければ
幸いです。
本年度も宜しくお願い申し上げます。
ポチっとして下されば嬉しいです
↓
五歳になり、親の目を盗んでは
脱走し江南の街を徘徊するのを
楽しんでいた。
共働きの両親が帰宅するのは
午後六時と決まっている為か
それまでにはちびウンスも
決まって帰宅し、大人しく
お留守番していたとちょっぴり
嘘をつき笑みを浮かべ出迎える
のであった。
「ちゃて!きょうはどこにいこうかな
あ!このまえみつけたどうくつを
さんぽしようっと」
江南の街から少し離れた所にある
小高い丘の裾に、ぽっかり開いた
洞窟を見つけたのが、先日のこと。
その時は勇気がなかったが
ついに好奇心が勝り
洞窟へと足を踏み入れたのである。
「わぁわぁまっくら~、それで
もってせまい~」
そんな独り言を呟きながら
ちびウンスは狭い洞窟の中を
四つん這いになりながら
先へ先へと進む。
「あっ!あのひかりはでくちかな
ふぅ~よかった!」
洞窟を抜けたどり着いた先には
見たこともない景色が広がる。
「あんっ・・・ここはどこ?
てれびのさつえいかなんかして
いるところにまぎれこんじゃった?」
テレビカメラを
探しているのだろうか…
ちびウンスは大きな瞳を
キョロキョロと動かし、辺りを
見回すが・・・。
そこへひとりの少年が顔を見せる。
「に、女人っ!誰だ!
人の屋敷に勝手に入り盗人か!」
「きゃっ~びっくりした!
あなたこそだれよ、ちんぞう(心臓)
おくちからとびだしたら
どうするのよ…まったく」
長い髪をくるくると頭のてっぺんに
ひとつにまとめ半ズボン姿の愛らしい
ちびウンスとは対照的に
ねっとりとした夏の暑い時期にも
関わらず濃紺のパジチョゴリを
身に纏い同じ年頃と思われるその子
顔を真っ赤に染めくるりと背を
向けてしまった・・・。
「ち、ちっと~~
あなたはだれ?ぬすっとって
なあに?あたちのおうちはどこ?」
「・・・」
「ちっと~きいてまちゅか?
それにここはどこよ~」
「高麗…人に名を尋ねる前に
その姿をどうにかしろ・・」
その言いぐさにカチンっと
きたのか、ちびウンスは
むぎゅっと、その腕を掴み
こちらに振り向かせる。
「ちっと~ふつうのかっこうだけど
なにがわるいのよ!!
しつれいなこどもね~~
あたまにくる~、それにあたちの
おなまえはウンスっていうの
でもねおぼえておいて
れでぃにきくまえにまずは
じぶんのおなまえいうのが
しんしってもんでしょう??」
「僕の父上は、高麗で鬼神と言われ
百戦錬磨のチェ・ヨンなんだぞ
あんたのような生意気な女人は
ぽいって摘まみだされるからな」
「あははっ…だからぁ~あなたの
おなまえをきいてるの!
それにちちうえって、へんなの」
「僕は・・・ソマン
由緒あるチェ家の嫡男なんだぞ
今から父上を呼ぶからな!ふんっだ」
ちびウンスにちらりと目をやると
頬を膨らませ
すぐに屋敷へと駆け出して
行ったのである。
「あしはやっ!となりのくにの
にんじゃみたい」
いつか観たテレビドラマを
思い出したのか、ちびウンスは
口をぽかんっと開きそう呟き
その小さな背を見送りながら
盛大にため息をはく。
・・・・・
新年明けましておめでとうございます
年越しイベントのお話ですが
『続』が付きます😅
続きは本日10時にアップとなります
『完』までお付き合い頂ければ
幸いです。
本年度も宜しくお願い申し上げます。
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