「護軍?余は一晩考えたのじゃ
輪廻転生が真の話ならば
ウンス殿と親御にしか分からない
前世の話を聴いてはおるのだな」
「はっ!王様、某の知らぬ
話を聴いております
歴史・・・長きに渡る時の流れ
のことでございますが
ある書物には高麗の行く末が
記載されておる様子にて・・・
なれど、某も聴いてはおりませぬ
この地は王様が、民が潤い
皆が笑みを浮かべ暮らしていける
そんな地にしてくださると
某は信じております故」
「ほぅ~興味深い話ではあるが
護軍が言うのもわかる気がするぞ
余が民の為にできる事
政を円滑に執り行うことじゃな
・・・護軍!力を貸してくれるな」
「はっ!某は王様の剣にて
何時なんどきも王命を下し
某らを動かし下さればよろしい
のです」
康安殿の一室にて
日は暮れようとしていた最中
王様とヨンは卓に腰掛け
会話を重ねていたのである。
既に時節は肌寒くなり、火鉢や
蝋燭で暖をとりながらの刻を
費やしていた。
どうやら王様も輪廻転生を
僅かばかりでも信じている
ではあるが、ここからが
本題である。
「王様…願いの義がございます」
「ほぅ~申してみよ」
「はっ!ありがたき幸せに
存じ上げます・・・前世の親御殿は
身分が低く我が屋敷に住まうことを
躊躇っておりますれば
亡きチェ家の遠縁の者の身分を
与えては如何なものかと
思う次第にございますれば
王様のお許しを頂きたく
願い申し上げます」
「う~ん・・・亡き者であるか・・・
どうしたものかのぅ…使用人としは
ウンス殿が嫌がるであろうしの~」
「王様・・・どこぞの重臣らが
あり得ぬと異議を唱えたなら
某は職を辞する覚悟にこざいますれば
その腹づもりでお願い申し上げます」
「ならぬぞ、それはならぬ
そちは余の大事な友であり
心を許せる唯一の臣下じゃ
辞するなどと寂しい事を申すでない
護軍が辞する折りは・・・余も
玉座を明け渡す時じゃ
余と護軍は秘密を共有する
いわば一蓮托生じゃ、よいな」
「王様・・・ありがたきお言葉
恐悦至極に存じ上げます
なれど王様が玉座を明け渡すなど
あってはならぬ事
某の事は御心配には及びませぬ
あの方を今世ではしっかり護って
行きます故」
玉座を明け渡すなどと戯れを
口にする王様に、ヨンは
怪訝そうな顔をしながらも
ウンスを護るときっぱり言い切る。
そんな王様のお口からとんでも
ない言葉が飛び出したのである。
「そちはいつも嫁御が一番じゃな
くくくっ…あっははは~」
「!!!」
王様は思い出されたのろうか・・・
ヨンは眼を見開き驚きの表情を
見せていた。
「王様!前世を思い出されたので
ございましょうか?」
「はっ?何故じゃ」
「・・・いや・・・今、お口から
漏れた御言葉が・・・」
「ん?おぉ~何故ゆえかそう
思えただけじゃ気にするでない」
前世を思い出される日が近いのか
・・・王様から不意に突いてでた
御言葉にヨンは期待と一抹の不安を
覚え、康安殿をあとにするので
あった。
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