生きる意味(動きだす時)61 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「叔母上?手を貸してくれぬか」

「真か?前世での天界のご両親殿
であるのだな?」

「あぁ~嘘など言わぬ、ウンスも
大層喜んでおる」

「・・・お前は詫びたので
あろうの?」

「むろん…なれど父上様、母上様は
今日にも屋敷を出ると言い張って
おる。身分の違いを気にされて
おるようだ。ウンスが目を光らせて
おるが・・・」

「それはそうであろうのぅ…
なれどウンスの心根も複雑で
あろうの・・・元に生みの親が
おり、前世の親が名乗りをあげた
のだ・・・。お前がしっかりと
ウンスを支えてやれ」

坤成殿中庭へと叔母を呼び出し
ヨンは頭をたれ援護を打診したのだ
叔母は眼を見開き口をぱくぱくさせ
驚いている。

「お、お前がこの私に
頭を下げるなど天と地がひっくり返る
のではあるまいな…全く・・・
まぁよいわ。ウンスに伝えておけ
この叔母が万事整えるとな」

そう呟くとくるりと踵を返し
立ち去る叔母の後ろ姿に安堵の笑みを
浮かべ、己は己でやるべき事
すなわち王様から許しを請うべく
 康安殿へと向かうのである。


一方屋敷では・・・。

翌朝ウンスはヨンを送り出し
急遽典医寺へは伝言をヨンに
託し、屋敷へ居間で前世の両親へ
共に暮らそうと説得して
いたのである。

「ウンスゃわかっておくれ
私達は貴女に会えてそれだけで
十分なんだよ・・・。
だから西京へ戻り畑を耕し
ながら、細々と余生をおくるから
貴女が同じ空の下にいる。
それだけで幸せなんだよ」

「いやよ。絶対いや離れて暮らして
いて、連絡を取る手段も
ないんだから万が一の時
文のやり取りなんかじゃ
間に合わないのよ…
知ってるでしょう」

「・・・相変わらずなんだね~
頑固なところは前世とちっとも
変わらないんだから…ふふふっ」

前世の両親は医学生だった頃の
ウンスを思いだしたのか
笑みを浮かべウンスを見つめる。
当時は、朝採りの新鮮な野菜を運び
市場へとおろし生計を立てていた。
医者になると言う
高い目標を持つ娘の望みを叶えて
やる為に、両親は寝る間を惜しみ
働き続けウンスに
仕送りし続けたのであった。
ウンスの努力は勿論だが
両親の支えなくば当時のウンスは
医者にはなっていなかったかも
知れないのである。

「母さん?
こうしてはどうだ。
前世では親子ではあったが
いまは違うんだ…ウンスや将軍が
愛想つかす可能性もあるんだから
お試しと言うことで
ともに暮らしてみてはどうだろう
貴族の暮らしがおれら年寄りに
相応しくないかもしれんからな
そのときはウンスも諦めが
つくと違うか?」

「まぁ~お父さんったら・・・
そうね、そうしましょうか
チェ家の家風に、私達が
合うなんて思えないもの
ウンスゃそれでいいわね?」

「嬉しい!!一緒に暮らして
くれるのね?すぐにヨンに
知らせなきゃ!それと衣を
買わなきゃね。下衣もでしょう
足袋もいるし・・・そうだ!!
今から一緒に行きましょう
テマン~~いるんでしょう?」

ウンスはまるで幼子のように
指をおりあれやこれやと
嬉しそうに買い物へと
おもいを馳せている。
そんな様子を見ていたテマンが
眉を八の字に下げ困った顔を作ると
スッと姿を消したのだが
直にヨンとともに再び姿を
見せたのである。

「貴女ときたら、また屋敷を
抜け出すおつもりでいたのですか
まったく・・・」

「ヨン!!驚いたわ
相変わらず気配もしないんだから
・・・でもお役目はどうしたの?」

「すぐに戻らねばなりませぬが
よい知らせを早く伝えねばと
思い、チュホンを走らせ戻った
次第…直に叔母上が参ります
詳しくは叔母上が伝えますが
父上様、母上様は、ウンスの養父
養母としてこの屋敷にともに
暮らせる運びとなりまして
ございます」

そう呟くとヨンはウンスの肩を抱き
両親へと改めて向き直り
目元を緩め一礼したのであった。


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