生きる意味(動きだす時)60 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「アボジ?オモニ?
いまの生活はどうなの?
暮らしはできているの?
なんだか・・・」

「貧相な姿かしら…でもね
お父さんと二人、畑を耕し
自給自足の生活をしていたの
少し前の戦で、西京はすごい被害が
出たでしょう?
命からがら西京を捨て逃げたのは
良いんだけど、行く宛もないとき
お父さんがね突然何かにとりつかれた
ように叫んだのよ、それも夜中によ
「ウンスが開京に嫁にきた!」
ってね。驚いたのなんのって
またその時、お母さんは
前世の記憶が蘇ってなかったから
ウンスってどなた?って
お父さんに聴いてしまったくらいよ」

お風呂を先に使わせてもらい
ウンスのお父さんはヨンの寝衣を
お母さんはウンスの寝衣を借り
ぶかぶかの寝衣がなんとも言えない
くらい、新鮮味を覚えていた
両親ではあったが
あまりにも貧相な暮らしぶりに
ウンスは心を痛め次第に
涙が溢れ始める。

「ウンスゃ…泣かないでおくれ
こうしてまた会えたのだから
私達の背負うべきリスクだったと
思えば、どってことないんだから
どんなに辛く苦しい時をすごしても
私達は貴女に再び会うことを
願ったのよ。それはお父さんも
同じ筈…二人の強い想いが
天の神様が叶えてくだされたの
感謝しなきゃね…うふふ」

あまり過去の苦労を口にしない
両親ではあったが
その苦労は一目みれば
いまのヨンとウンスにわかる。
そんなときヨンがおもむろに口を
開く。

「父上様、母上様
これよりはこの屋敷がお二人の
屋敷でございますれば
誰に遠慮することなくごゆるりと
すごして下され」

「ヨン!!本当にいいの?」

潤んだ瞳を見開きウンスは
卓の隣に腰掛けるヨンを
見つめ涙を流す。

「泣くでない。構わぬ。それに
あの折の罪の償いだけではない
お二人の心根に強く感銘したのだ
愛しい娘が過ごしたときを
ともに過ごしてみたいと…そして
願い叶うならば、再び逢いたいと
願う親心・・・西京の戦での
ご苦労は計り知れないものがある。
某も出陣し、賊をはね除けたが
被害は甚大であった筈
よくご無事でおってくだされた
と感謝申し上げます」

「・・・申し出はありがたいけど
そこまで甘えちゃ、いまの
ご両親に失礼にあたるわ」

「そんな~いやよ。
元の両親にはもう会えないと
思うの・・・高麗の敵国だし
・・・それでもいいと思っている
の…ヨンに会えたし、記憶も
ある程度は蘇っているから
アボジ、オモニの事は
理解できているつもりよ
だからお願い!ヨンに甘えて
行く宛もないって言ってたじゃない
・・・今度は私が・・・
時代が違っても家族じゃない」

残り僅かな余生と言いたかったが
そこは口にするのを躊躇った
ウンスである。
それから色々話をし
取り敢えず今宵は屋敷に
泊めてもらうのを承諾した両親に
ウンスは満面の笑みを浮かべ
今宵だけとは絶対言わせないと
ばかりに部屋へと自ら案内し
布団はヨンが運び入れ
二人で世話しなく世話をやく。

「はい、お布団敷いたわよ。
ゆっくり休んでちょうだいね
真っ暗だから足元気をつけて
厠・・・トイレはあの角を外に
出ると見えるから。じゃお休み
なさい」

「ウンスゃ、すまないな
将軍のご厚意甘えるよ」

「・・・某は将軍などでは
ありませぬ・・・お二人の息子
チェ・ヨン、ただの戦馬鹿に
すぎませぬ故・・・」

「ウハハハ…戦馬鹿とは・・・
それにわたしらの息子とは
滅相もないし、無礼にあたるのでは
?」

「父上様、某…いや俺は
生涯お二人の息子にございます
れば、何の無礼があるのです?」

にやりっと口の端をあげ
ヨンは深く清い想いを胸に秘め
「さて…これからが世話しなくなる
・・・のか・・・」

身分の違いを埋めるべくヨンは
駆け回るのである。




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