生きる意味 50(模索) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ウンス!!」

その場に腰を屈めさらさらな
髪に指を入れ、くしゃくしゃに
するウンスに、ヨンは驚き声を
かける。
その仕草は遠い昔から
見覚えはあるが、前世の記憶が
蘇ったのか、とも思えたのだ。

「・・・大丈夫よ、なんだか
懐かしい気がしただけなんだけど
思い出せなくて、チャン先生?
チャン先生・・・あぁ~無理…
これから思い出せるかしら・・・」

「無理をせずともよい
ウンスは今も昔も何一つ変わって
おらぬ故」

ヨンはそっとウンスを抱え
立ち上がらせるとそう伝える。

「うんっ…ありがと
そうよね、私は私だし
今もこうして貴方の横に居れるだけで
幸せなんだから ふふっ」

「父上!こちらにおいででしたか
急にお姿が見えず探して
いたのですよ・・・」

「グンソクか…すまなかったな
遠い昔の思い出にしたっていたのだ」

「そうでしたか…では、こちらの
方々をご紹介しましょうか?」

「もうよいのだ、挨拶はすませた故
しばらくこちらに滞在する故
屋敷で羽根を伸ばすとするか」

チャン・ビンはそう呟くと
倅、グンソクっと踵を返し歩を
進める中ヨンは声をあげる。

「待て、侍医!?典医寺で役目に
付く気はないか?王宮で侍医が
二人おってもおかしくはないと
思うのだが・・・王様には
俺がお許しをもらう故
どうであろう?」

「ですが…わたしなどが・・・
よろしいので?」

「これから時節の変わり目故
病とまでいかずとも体調を壊す者も
増えよう…侍医二人体制で
のりきってもらえたら有難い。
それと俺の職は、護軍。
心してくれ」

前世で大護軍であろうが
現時点では護軍であり、官位が
違うのである、前世の記憶を
安易に口にしては、騒動の源に
なりかねぬ…ヨンはそう思い
チャン・ビンに釘を指したのかも
知れない。

それからヨンとチャン・ビンは
ウンスやグンソク侍医を典医寺まで
送り、その脚で 康安殿へと
向かったのである。
その後ろ姿をテマンがちらりと
盗み見し、『チャン先生も
な~んにもかわってないんだな
うれしいよ、俺。これで
きっと、すべてがいい方向に
向かうんだ、前世の悲劇なんて
もぅ~ごめんだ!』
そうテマンは思い、きりりっと
前を見据えウンスの警護へと
向かうのであった。

・・・・・

「そうであったか、侍医の親御殿
ならば、余は構わぬが
そなたらも同意と思うて構わぬな?」

ヨンは康安殿で重臣らが並ぶ中
チャン・ビンを王宮の侍医として
迎え入れることを願い出
西域で学んだ医術の腕をふるに
発揮してもらい王様や王妃様を
御守りしたいとの趣旨を付け
加えたのである。

「「御意のままに」」

幾人かの重臣らは即答していたが
中には、顔を露骨にしかめ
ヨンやチャン・ビンをにらみ付ける
重臣らがいたのは言うまでもなかった
・・・。
気配に敏感なヨンのこと、波乱を
巻き起こす気配を
感じ取ったのかも知れない。



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