二年 | シンイ二次小説でんべのブログ

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二年もの月日が二人を隔てる
戦となった。
此度の戦は恭愍王の息子で
在らせられる王の命により
倭の国に出兵して行ったのである。
もう歳も歳だし職を返上し
隠居を度々申しでたが
それを許されることもなく
此度も上護軍チェ・ヨンは
陣頭指揮を取る立場として
多くの若き兵を従え
その命を誰一人失うことなく
共に帰還する。己に課せた使命が
その両肩に重くのし掛かる。

「イムジャ?俺はちゃんと食べ
ちゃんと寝ております。
貴女は泣いてはおりませぬか?
遠く倭の国にて貴女を思わぬ日は
ありませぬ・・・なれどもうじき
戦は終わります…故にあと少し
待っていてくだされ
広く長い海をひとっ飛びし
イムジャのもとへ戻ります」

倭の国では春から
雨季に入ろうかと思われるこの時節
どんより厚い雲が上空を覆い尽くし
ウンスの笑みを想い浮かべるには
ちいと程遠い景色が広がる夕刻の
空を睨み付けるように見上げる
ヨンである。

かつての部下であるチュンソクや
トクマンは既に隠居を許され
共に戦場に赴いたのはテマンだけでは
あったが、お互い髪には白いものが
目立ちはじめ、重ねた年月の長さを
思い知らされるのである。

「テマンか?」

「あ、はい」

いまだに人の気配に敏感であり
姿は見えずともそう声を掛ける
ヨンであった。

「もうすぐですね…医仙様も
首を長くして待っています
俺も些か疲れましたが
早く孫の顔が見たいです」

「ああ、俺も同じだ」

「うそだ~!上護軍の一番は
医仙様でしょう?…へへへっ」

人懐っこい笑みは皺を刻んだ
今でも変わらぬようで
テマンは頭を掻きながら
ヨンの後ろ姿に語りかける。



・・・・・


「朝か~~・・・この二年まともに
眠った覚えがないなぁ…」

白々と明るくなる頃
床から身を乗り出し
白髪混じりの髪を
耳にかけ、眠い眼をごしごしと
擦りながらどんより曇った空を
見上げていた。

「ねぇ…そこにいる?」

若かりし頃離れ離れになった
四年もの月日もあったが
無事に戻る事が叶い、子を成し
孫もいる身ではあったが
遠く離れた魂の片割れに
想いを馳せる日々が続いていた。
子らも愛しい孫らもまだ夢の中に
いるのか、しんっと屋敷の中を
しずしずと足音を忍ばせ
中庭へと降り立ち脱走を試みる。
そしてウンスの姿は消えた。

「母上~~?」

子らが必死に屋敷中に響きわたる
声を張り上げウンスを探す。
ドタバタっと幾つもの足音が
交差していた。

その頃ウンスは
懐かしき王宮の裏山で高麗の
町並みをひとり眺めていた。
眼下に広がる王宮から市井の町並み
ひとつひとつ幾つもの思い出がある。
すでに医仙として出仕することも
恭愍王、魯國公主と顔を会わせる
こともないが、やはりウンスの居場所
は、王宮なのかも知れない。

「よく二人で登ったわねヨン…私
足腰丈夫なんだからあまり長いこと
ひとりにすればもっと遠くまで
逃げ出すんだからね!」

口をついてでるのは強気の言葉
だが…子らや孫らに涙を見せまいと
ここに来たのであろうか…。
はたまた、愛しいヨンの香りを求め
たのかも知れない。

知らず知らず頬を伝う涙をウンスは
そっとぬぐい町並みをじっと
見つめるていた。

「また脱走したのか?
無茶をしおって」

ふと見上げると珍しく息を切らした
愛しいヨンが仁王立ちしていた。
無精髭をはやし、衣は埃を被り
あちこち綻びまで見て取れる。

「ヨン!!」

ウンスは腰掛けていた
大樹の根元から驚きの声を上げ
立ち上がる。

「屋敷から鳩が飛んできたのだ
帰還の道すがら、その鳩を目にし
ここであろうとふんだのだ」

黒曜石のような深い瞳が
ウンスの瞳を捉え離さない。
「まったく・・・」そう言って
いるのかも知れない。

「そうだったの…ごめんなさい
でもね、子らの前で涙は見せないって
決めていたの・・・寂しくて
心配で…胸が張り裂けそうで
お願いしていたのよ
もう会えないけど…王様と王妃様に
貴方を守ってって・・・」

「イムジャ、俺は貴女をひとりには
せぬ、その折が来たなら
イムジャを見送り
その後いかばかりか遅れるであろうが
この地の安泰をこの目に焼き付け
貴女のもとへいく」

「うん!約束してね
私…待ってるから、ずっと
そばにいるから、ヨンを照らす
お日様や、ヨンを暗闇から守り
道しるべとなるお月様や
花畑の小菊になって見守って
いるから…うふふっ」

泣いた烏がとはよく言ったものだ
ウンスは衰えを知らぬ
逞しい鍛えられたその胸に
顔を埋め笑みを浮かべる。
ヨンもまたそれに応えるよう
ウンスの華奢な身体を
その腕に囲い王宮から市井へ続く
町並みに瞳を向ける。

『俺などを待っていてくれ
ありがたく思う』







・・・・・

皆様ご無沙汰しております。
更新の間隔が空きましたこと
お詫び申し上げます。
旦那が休みで家にいると
あれせい、これせいで
スマホに向かう暇がありません‼
これでは仕事より辛い😢🌊

「二年」は、ある方のぐるっ??
に投稿しようと思い、一話完結で
書き上げたお話ですが
機種が古く対応してないのか
指定されたアプリは
わたしが取り込もうとすると
有料アプリになるんです。
何故??やり方悪いのか?
スマホに疎いでんべでは
お手上げ状態です。
友人にはブログの事は
話してないし、相談できない。
てんてんさんは忙しい様子だし
・・・。

ごめんなさい…役立たずでした。
自分のブログに載せました


連休明け7日から仕事が始まります
・・・四月は近場の工場で
ライン作業をしており
ラインの速さが半端なく
「帰りて~」なんてつい愚痴を
溢していたのですが
連休明けには遠くの現場に
戻ることになりました。
そう、エアコンなし、通勤一時間
汗だくで昨年過ごした現場です。
いざ帰るとなると億劫です(笑)
令和元年も宜しくお願いします。


本編も描きます
もう少し待っててね~☺

でんべ

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