生きる意味 42(模索) | シンイ二次小説でんべのブログ

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背を向けたままウンスはじっと
耐えていた・・・。
敵は身内の反乱である
『お願い…ヨン!はやく来て
でないとみんな斬られてしまう
なんとかヨンが戻るまで繋ぎ
止めないと』

「・・・や、やめてちょうだい!
望みはなんなの?
身内同士で斬り合いなんて
悲しいじゃない、そうでしょう」

ウンスは震えながらも気丈に
振り返りそう口にする。
辺りは血の海と化し、横たわる武官ら
で脚の踏み場もないほどである。
王様と王妃様は幸い怪我もないようで
凛と佇みお二人の御前には
迂達赤や武閣氏が反乱を起こした
武官と剣わ構えていた。

「おなごの意見など聞く耳持たぬわ
我らの望みは王の首をすえかえる
これひとつのみ!」

「王様の首って…貴方方!
まさか徳興君と手を組んだの?
あの卑怯者の末路教えて
あげましょうか?」

ウンスは「あ!しまった」っと言う
顔をし、口元を押さえるが
後の祭りであった。
その言葉に食いついたのは以外にも
王様であった。

「なぜ恩讐殿が知っておる?」

「・・・そ、それは・・・」

そんなとき「ばぁ~ん」っと
勢いよく 康安殿戸口が開き
ヨンとテマンが剣を構え飛び込んで
くる。
ヨンの形相は「鬼」を彷彿させる
ものであり眉はきりりっと上がり
温和な黒曜石のような瞳は
微塵も感じられないのである。
ふと戸口の隙間から回廊に目をやると
これまた血の海と化していた。

「よく、こらえた!チュソク
トルベ!ウンス?大事ないか?!
目を瞑っておれ」

ウンスは天の助けとばかり
再び目をぎゅっと瞑る。
王様はやや不満気味ではあったが
じっと反乱の顛末を見届けていた。

次からつぎへと襲いかかる
武官を滅多斬りし、残るは
大護軍キム・テサンひとりになった。

「王様、遅れて申し訳ございませぬ
して、大護軍への罰は王様の御判断を
仰ぎたく…」

ヨンは玉座前に連れ出した
キム・テサンの脚を蹴り
膝まずかせその首に鬼剣を突き付け
頭を垂れる。

「護軍!無礼であろう
我は大護軍であるぞ」

「黙らぬか!護軍…ご苦労であった
余が至らぬばかりに眉唾物の情報を
信じこやつに付け入る隙を
与えてしまったのだ、ちいと
反省しておる…許せ。でた、こやつは
斬首の刑それでよかろう
王妃もおるゆえ骸を急ぎ始末
してくれぬか」

「はっ!迂達赤!!」

ヨンの一喝にチュソクやトルベが
先頭には立ち戸板を運び込み
骸を運び出す。
血糊も綺麗に拭き取り
風を通し匂いも消えたころ
王様は口を開いた。

「すまぬ、護軍
都の様子を聞かせてくれぬか?」

「はっ…都は・・・かくかく然々
でありましてございます」

ヨンは荒れた都の様子を
仔細細かく王様に伝える。
王様は唇をぎゅっと噛みしめ
それをお聴きになられていたが
すぐにまっすぐヨンを見据えられ
こう述べられたのである。

「ドチ!王宮の蔵を解放し
民に分け与えよ…すべては余の過ち
民に償いをせねばならぬ
家屋の建て直しにも力を貸して
やるとよい・・・護軍、これで
良いか?」

「はっ!懸命な御判断かと
思われます」


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