生きる意味 27(甦れ) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「殺れ!この者を始末せよ!
迂達赤隊長などおそるるに足らず」

キ・チョルはそう語尾を強め
声を張り上げる。
襲い掛かる舎弟ヤンサ。
こやつも厄介なある種の毒を扱う者
薬草をあれやこれやと組み合わせ
人に害を及ぼす毒を作り上げるのである
指環に仕込んだ粉末を「ふぅ~」
っと、勢いよく吹くとヨンは口を
ぐっと一文字にきつく結ぶ。

ふと眼をむけると
テマンも同様の仕草をしている。
いつかの世でこの種の毒に
やられたテマンである。
片手で口を押さえ口を一文字に
結びもう片手には小刀を握りしめ
襲い掛かる私兵と対峙していた。

『貴方がたが怪我でもしたなら
私が必ず治してみせるから
存分に・・・あれっ?医員でも
ない私がどうして治せる訳?
あ~あ~わかんない』

そんな目の前で繰り広げられる
戦いを、熱い眼差しで見つめていた
ウンスがふとそんな事を思い浮かべ
髪の毛をくしゃくしゃにしていたので
ある。

「奥方様…どうかされましたか?」

「あ、トクマン君、私って医員だった
かしら?」

「はぃ?奥方様は元の姫君ではあり
ませんか・・・可笑しなことは
言わないでください、そんなことより
俺たちの後ろから離れないでください」

「・・・そ、そうよね・・・」

前世わっと聴きたかったのだが
記憶が甦ってない者には愚問であった
ようであり、トクマンなどは怪訝そうに
顔を歪めウンスをみていたのである。

そんな中、一歩前へ歩み寄る
キ・チョルとヨンの間にトルベが
割って入る。

「トルベ!!」

「大丈夫です隊長…任せてください
片手のこんな奴に負ける訳が
ありません、俺の槍の腕を信じて
ませんね…」

斬り落とされた左手はさらしを
ぐるぐる巻きにし、右手を掲げる
キ・チョル。
奴の身体からは氷功と思われる
怪しい靄が出はじめていたのである。

「どんっ」っとトルベの身体に
体当たりし、突き飛ばす
ヨンである。忌まわしいあの記憶が
甦ったのであろうか…。

『そうだったのか!大王様は
これを許してくだされたのだな』

そう…初めからやり直しす事を許され
仲間内で誰ひとりと死なすことなく
生を全うさせること、それが
大王様の命であったのである。

『そうであるぞ…チェ・ヨンよ
ひとつの課題に過ぎぬがの・・・
ユ・ウンスと力あわせひとつひとつ
解決してまいるのだぞ』

その様子を天高い雲のうえより
覗いていた大王様が呟いたとか
・・・。


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