生きる意味 25(甦れ) | シンイ二次小説でんべのブログ

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中庭での騒動は邸の中に筒抜けで
あったようである。
ウンスの首に剣をあてる笛男と
呼ばれるチョヌムジャと
その横で勝ち誇った顔をする
キ・チョルが出迎える。

「よく来た、剣をおけ。
さもなくば正室の命は保証できぬ
チョヌムジャは舎姉を殺られ
気が立っておる故わたしの言葉など
聞かぬであるからな」

「ウンス!!」

「大丈夫よ、ごめんなさい
一人で家をでたから・・・捕まって
しまったの…ヨン・・・こんな
奴らに負けないで」

「ふん、強気にも限界があろう…
隊長?この手の痛みお主も
味合うがよい…さぁ正室の命と
己の手首どちらが重い、決断せよ」

「ガシャリ」
どちらが重い…愚問である。
己の命より、手首より尊い命が
あるならばそれはウンスである。
ヨンは鬼剣をキ・チョルの足元に
放り投げる。

「駄目、ヨン…貴方はこれから
やらなければならないことがある
はずよ!かぶりっ」

「痛ってててっ」

ウンスは笛男の手にかぶりつき
ぎろりっと睨み付け呆気にとられる
キ・チョルの隙をつき、足元に転がる
鬼剣を拾いあげヨンの元まで
たったったっと駆け寄る。

その手を引き寄せヨンはウンスを
背に庇う。

貴女と言う方は・・・無茶をする

「えっ、なんて言ったの…?」

独り言のように呟くヨンの背から
ひょこんっと顔を出すウンスに
ヨンは苦笑いを浮かべ
言葉を繋ぐ。

「いえ…貴女さえそばにいれば
怖いものはない、俺から
三歩離れてはなりませぬ
よいですね?」

こくこくっと頷くウンスの気配に
ヨンは、にこりと口の端をあげると
鬼剣をガシャリっと鳴らし
片手にウンスの手をぎゅっと握りしめ
その口で、すっと鞘を抜き鬼の形相
で対峙するのである。

『先ずはこやつから』

その眼が睨み付けたのはチョヌムジャ
である。笛を吹かれ片膝をついた
前世の記憶が甦るヨンであった。


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