月日が移り暑い夏を迎える頃
徐々にウンスの回りが騒がしくなる。
ほとぼり覚めたと思ったのか
キ・チョルの噂が市井でちらほらと
耳にするようになる。
徳成府院君と言う地位にあって
その身分の高く、未だにその身を
現さぬキ・チョルに苦い思いを
させられた民がいるのであろうか。
「屋敷って本当に退屈よね
手習いでも始めようかしら
手芸?…無理ね・・・剣?
そうよ!自分の身くらい自分で
守れなきゃ!!」
「はぁ・・・奥方様…誰に剣の教えを
乞うのでございますか?」
「あ!…忘れてた・・・ねぇ~
誰か知らない?凄い腕の立つ
女人を希望なんだけど…」
「奥方様~急におっしゃられても…
はっ!チェ尚宮様なら適任を探せる
のではございませんか?」
「そうね!ありがとう…
叔母様なら元武閣氏とか紹介できる
かも知れないわね!王宮に行って
くるわ」
「なりません!旦那様に奥方様を
外に出してはならぬっと、きつく
言い付けられております」
「もっ!変わらないんだから
・・・じゃぁ…テマン~~居るんで
しょう?」
使用人に足止めされたウンスでは
あったが、「わかったわよ」と
納得するわけもなく、テマンを
呼びつけると、中庭に天高く聳え立ち
くすの木から
するすると降りくるテマン。
「聴いてましたよ、い、医仙様
あっ間違えた、ウンス様」
「ふふふ、だからぁ~医仙じゃ
ないってば…ま、思い出せないだけ
なんだろうけどね…えっと
王宮へ行きたいんだけど
一緒に行って欲しいのよ、ほら
私、方向音痴だから・・・
それにひとりでうろうろすると
あの人が煩いでしょう」
「わ、分かりました。ではウンス様
目立たないような衣に着替えて
ください。テジャンから言われて
いますから、でもウンス様は
方向音痴って思いだしたんですか?」
「ぜ~んぜん…不意に口から
出たんだけど、本当に方向音痴
だったんだね・・・不思議ね…
あ!着替えてくるわね
目立たないようにね…待ってて」
貴族の正室には相応しくないで
あろうと思われる足音を響かせ
ウンスは衣装部屋へと消え
しばらくすると、藍色の衣を
纏い、髪をてっぺんでくるくると
まとめ姿を現したのである。
「ウンス様!その衣は?」
「分からないんだけど、あの人の
衣装箱から見つけたのよ
どぅ?似合うかしら…ふふふ」
迂達赤の隊員が身に纏う藍色の衣。
大きいのか幾つもの紐の端が
ちらりとみえるなんとも不細工な
着こなしではあったがウンス自体は
まんざらでもなさそうにくるりと
一回りし微笑えんでいたのである。
「行くわよ!テマン」
たったったっと駆け出すウンスの
あとを慌てて
追いかけるテマンであった・・・が。
「あれ、追い抜いたのか?
ウンス様~~?ウンス様~~?」
いくら叫んでもその姿は
忽然と消えたのである。
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徐々にウンスの回りが騒がしくなる。
ほとぼり覚めたと思ったのか
キ・チョルの噂が市井でちらほらと
耳にするようになる。
徳成府院君と言う地位にあって
その身分の高く、未だにその身を
現さぬキ・チョルに苦い思いを
させられた民がいるのであろうか。
「屋敷って本当に退屈よね
手習いでも始めようかしら
手芸?…無理ね・・・剣?
そうよ!自分の身くらい自分で
守れなきゃ!!」
「はぁ・・・奥方様…誰に剣の教えを
乞うのでございますか?」
「あ!…忘れてた・・・ねぇ~
誰か知らない?凄い腕の立つ
女人を希望なんだけど…」
「奥方様~急におっしゃられても…
はっ!チェ尚宮様なら適任を探せる
のではございませんか?」
「そうね!ありがとう…
叔母様なら元武閣氏とか紹介できる
かも知れないわね!王宮に行って
くるわ」
「なりません!旦那様に奥方様を
外に出してはならぬっと、きつく
言い付けられております」
「もっ!変わらないんだから
・・・じゃぁ…テマン~~居るんで
しょう?」
使用人に足止めされたウンスでは
あったが、「わかったわよ」と
納得するわけもなく、テマンを
呼びつけると、中庭に天高く聳え立ち
くすの木から
するすると降りくるテマン。
「聴いてましたよ、い、医仙様
あっ間違えた、ウンス様」
「ふふふ、だからぁ~医仙じゃ
ないってば…ま、思い出せないだけ
なんだろうけどね…えっと
王宮へ行きたいんだけど
一緒に行って欲しいのよ、ほら
私、方向音痴だから・・・
それにひとりでうろうろすると
あの人が煩いでしょう」
「わ、分かりました。ではウンス様
目立たないような衣に着替えて
ください。テジャンから言われて
いますから、でもウンス様は
方向音痴って思いだしたんですか?」
「ぜ~んぜん…不意に口から
出たんだけど、本当に方向音痴
だったんだね・・・不思議ね…
あ!着替えてくるわね
目立たないようにね…待ってて」
貴族の正室には相応しくないで
あろうと思われる足音を響かせ
ウンスは衣装部屋へと消え
しばらくすると、藍色の衣を
纏い、髪をてっぺんでくるくると
まとめ姿を現したのである。
「ウンス様!その衣は?」
「分からないんだけど、あの人の
衣装箱から見つけたのよ
どぅ?似合うかしら…ふふふ」
迂達赤の隊員が身に纏う藍色の衣。
大きいのか幾つもの紐の端が
ちらりとみえるなんとも不細工な
着こなしではあったがウンス自体は
まんざらでもなさそうにくるりと
一回りし微笑えんでいたのである。
「行くわよ!テマン」
たったったっと駆け出すウンスの
あとを慌てて
追いかけるテマンであった・・・が。
「あれ、追い抜いたのか?
ウンス様~~?ウンス様~~?」
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