生きる意味 19 (甦れ) | シンイ二次小説でんべのブログ

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翌日の朝の事である。

「ねぇ~ヨン?
私は病気で死んだのかな…
そこがいまいち思い出せないのよ」

「・・・」

「ねえってば…ヨンは知ってるんで
しょう、教えてくれないの…それとも
まだ寝てるの?よっし!」

いまだにその懐深く眠りにつく
ウンスが、その大きな瞳を見開き
ヨンを見上げる。
反応がないヨンに痺れを切らし
くすぐりと言う策に出る。

コチョコチョ・・・・。

「・・・クック…やめぬか・・・クック」

「もぅ~起きてるじゃない!」

「ウンスが起こしたのであろう
俺に策を仕掛けるとは肝が
座っておる…受けて立つ故覚悟致せ」

意図も容易く形勢逆転され
ヨンの瞳が真上からウンスを
じっと見つめる。

「もう…良いであろう?」

「えっ?えぇ…そうね夫婦なんだし
でも笑っちゃうわ…ずいぶんと
私が年下で・・・不思議なものね」

「あぁ…なれどウンスはウンス
何も変わってはおらぬ
この華奢な腰もこの柔らかな髪も
俺だけに向けられるこの瞳も」

ウンスを煽るように艶かしく器用に
動く指先である。

「ょ、夜にね・・・お役目がある
でしょう・・・大人しく
待っているから」

恥ずかしそうに頬を染めウンスは
呟き、するりと寝台から
抜け出すと素早く身なりを整えるので
ある。此度は元と言う高麗にとっては
敵国となりつつある王の遠縁にあたる
ご息女なのであり着なれたものである。
一抹の寂しさを覚えるヨンであったが
気を取り直し衝立の向こうに
声をかける。

「ウンス?医員であったことは
思い出せぬか?」

「えっ!ほんとうなの?」

「ああ…天界から・・・いや
思い出せぬようならそれでよい」

己が拐い高麗へとは口には
できなかったヨンである。
今世と前世。すべての記憶が一度に
甦るのは、戸惑うこともあろうと
咄嗟に思ったのである。


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