生きる意味 17 (甦れ) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「テジャン!!早く片付けましょう
医仙様が待っています」

テマンの耳にもウンスの声が
届いていたようである。
自らユ・ウンスと叫んだ女人特有の
甲高い声が…。

『んっ?でも医仙様が思い出したん
だったら・・・あの最期も?
いやいやそれはまずいな~
どうして医仙様があんな最期を
選んだのかな…大護軍だったテジャンを
残して逝ってしまったんだ
んっ?待て・・・あのときテジャンは
医仙様を横抱きしてたんだよな?
うんうん!テジャンが医仙様以外
抱き締めるはずはないし・・・
あぁ~おれ頭よくないから
訳が分からなくなってきた』

テマンはそんな事を腹の底で思い
ツンツン頭をがしかしと撫で
気を取り直したのか顔をあげる。

「テマン!こやつは内功使い
気を抜くでないぞ」

「あ、はっ!」

きりりとキ・チョルを睨み付ける
テマン…。
その手に触れぬよう四方八方上下と
飛び回る。

「ふんっ、目障りな猿だな
こやつから先に始末するのが
妥当のようだなっ」

「府院君殿のお相手は某が
務めますれば、テマンには
手出し無用にございます…」

その時である、テマンがすっと
対峙する二人の間に割って入る。
前世の記憶があるヨンは
己の手が震えその手になろうとした
トルベが、徳成府院君の氷功に
殺められ事切れる姿が鮮明に
脳裏に甦っていた。
『・・・!!』次の瞬間ヨンは
語尾を強め声を張り上げる。

「テマン、やめぬか!!」

ドンッと、その小さな身体を突飛ばし
キ・チョルがテマンの首筋目掛け
掲げた左手を、スパッと斬り
落とすのである。
「ぐっっ!!」っと、低く
曇った声が漏れるとぽたぽた滴り
落ちる血の海と化した床へと踞る
キ・チョルであった。

「「兄じゃ~」」

駆けよるのちに笛男と呼ばれる
チョヌムジャと、弟であるキ・ウォン。
横たわるキ・チョルの手首に
己の衣を脱ぎ捨て添えると声を
張り上げる。

「よくも兄じゃをこんな目に!!」

「命は奪わぬ。王様の思し召しで
ある故ありがたく思う事だな」

「徳成府院君の地位にあるのだ!
このままで済むと思うなよ!
妹の手を借りてでもお前らを
俺は許さない!!」

キ・ウォンはそう叫び続け
チョヌムジャとともに、キ・チョルに
肩を貸し何処かへ姿を消したので
あった。


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