「王様…次はこのキ・チョルめが
我が屋敷にて皆様をもてなしとう
ございますれば御足労お掛けますが
皆様お揃いになり我が屋敷へ
御出ましくださいますよう
お願い申し上げます」
「恐れながらなりませぬ王様!」
口を開いたのはチョ・インシルで
あった。こそこそと王様に耳うちして
いる様子である。
その様子を見ていたキ・チョルが
眉間に皺を寄せ声を張り上げた。
「参事!!徳成府院君の某に
無礼であろう!そなたのような
成り上がりに影口吹き込まれる
いわれはない!」
「・・・」
『すごい啖呵切る人ね
んっ?・・・キ・チョルって
あの奇皇后の身内よね?』
ヨンの背からその姿を覗き見
恩讐はそう思うのである。
「 府院君…そう声を張り上げることは
なかろう…茶会が台無しであるぞ
さぁ…王妃が催した茶会じゃ
存分に味わうがよいぞ
日頃の役目の疲れを癒すがよい」
「「「はっ!!!」」」
王様のお言葉に各々が嬉しそうに
膳に箸をつける。
小鉢に取り分け王妃がそっと
王様の卓の上へ差し出す。
「・・・ん?余にか…すまぬのぅ
王妃が余のために盛り付けて
くれたのだな?この小菊が愛らしいの
・・・」
「こちらの小菊も食せるように
なっておりますればどうぞ
食してみてくだされませ」
「おぉ~そうであったか、では
いただこう~・・・」
「はい…うふふ 」
小菊をこよなく愛したウンスでは
あったが…いまだ前世の記憶は
甦らず、ヨンは一抹の寂しさを
覚え隣に腰掛ける恩讐に目を向けると
怯える素振りもなく膳をじぃ~と
見つめていた。
「構わぬぞ」
「ほんと?食べても怒らない?」
「何故怒るのだ?王妃様が
催した茶会に恩讐も呼ばれたので
あろう遠慮する必要があるものか」
「嬉しい…では遠慮しないで」
恩讐は箸を持つと次から次へと
小鉢を平らげ
皆を驚かせていたのである。
その細い身体のどこに入るのかと
思うほどの食欲旺盛であったのだ
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