生きる意味(甦れ) 9 | シンイ二次小説でんべのブログ

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急遽誂えたには思われぬ盛大な
茶会である。
贅を尽くした膳が並び
上座には王様と王妃様が腰を下ろされ
ぎこちない笑みを浮かべられている。

王様のお側近くには側近である
チョ・インシルと新たに内官として
仕えるアンドチ内官が控え
王妃様の後ろにはチェ尚宮と
お世話をする女官が立ち並んでいる。

「恩讐?はよう参るがよい
会いたかったのだ」

小春日和の爽やかな風が悪戯に舞い
王妃の後れ毛を揺らす。
そんなことは気にもせず
王妃は満面の笑みを浮かべ
入り口近くで目を見張る恩讐へ
手招きするのである。

元では姉妹のように仲の良かった
二人ではあったが
ひとりは国母なるべく従国に嫁ぎ
ひとりは名家の正室として嫁ぎ
逢える機会がめっきり減ってしまった
のである。

「「「美しい・・・」」」

そんな恩讐を目にとめた重臣らと
徳成府院君であるキ・チョルも
その場に居合わせていた。

一歩を踏み出せない恩讐である。
王様の姿を目にとめた為であり
その身体が小刻みに震え出す。
何故そうなるのか恩讐には
思い当たる節がないのだが
そうなるものは仕方がないのである。

「如何した?」

「・・・わ、分からないの・・・
でも…か、身体が勝手に・・・」

ヨンは一目も憚らず
そんな愛しい女(ひと)をぎゅっと
抱きしめるのである。

「大事ない…俺だけを見よ」

大きな心で優しく包む込む
大地のような暖かい胸に囲われ
次第に落ち着きを取り戻すのである。

「初めてお目にかかる。
こちらの聖女が正室なのか?
徳成府院君キ・チョルと申す
近衛の隊長が正室を娶ったと
耳にしてのぅ…ご尊顔を拝しに
参ったのじゃ・・・しかしながら
美しい…この白い肌・・・この
きりっと引き締まった口元
意志の強い女人であるのそうでは
ないのか隊長?」

「恐れながら徳成府院君殿
某の奥にて不要な手出し無用に
願いたい」

「★■●△□べぇ~だ」

「なんとも愛らしい仕草であるな
なんと言っておるのだ?」

「お気になさらず…」

『こやつにも通じぬのか…
なれど脚短っ!とは恐れを
知らぬ貴女らしい。なれど
こやつは氷功の持ち主
迂闊にこの方が近づけぬように
せねばならぬ・・・』

ヨンはそう腹の底で思い
ぎゅっと正室恩讐の手を握るのである。



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