生きる意味(甦れ) 8 | シンイ二次小説でんべのブログ

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それからと言うものヨンは
毎夜恩讐を胸に抱き眠りにつく
日々をすごしていた。
初めは戸惑いを見せていた恩讐で
あったが、日が立つに連れ
自身の寝心地のよい場所を求め
懐深く潜り込み眠りについて
いたのである。
むろんヨンは我慢を強いられて
いる。己で決めていたのだ。
「甦るまでは手を出さぬ」っと。

「うぅ~ん・・・」

「おきたか?」

愛しい女(ひと)が腕の中で
大きく腕をあげる
それに合わせ己の腕を緩め解放する。

「はい…今日もよく眠ることが
できました、ありがとう・・・
ございます」

「夫婦であろう?敬語はいらぬぞ
言葉も分からぬ使用人らと過ごし
退屈ではないか?」

「はい…では敬語はやめたいと
思います・・・で、この頃は
テマンさんが私の言わんとする
事を伝えてくれますが
面白可笑しく尾びれを付けるもので
みなで笑い驚き楽しくやっております
あ!敬語でしたね…うふふ」

『変わらぬな…』

愛しい女は大きな瞳を緩ませ
身振り手振りを交え
大袈裟とも取れる仕草で
日々の会話をヨンに伝えていたので
ある・・・。
その時「きゅっ~」っと恩讐の
腹の虫がなく。

「旦那様?朝餉を頂きましょう
お腹が空きまして・・・」

「クックッ・・・相分かった
なれど…ヨンと呼んでくれるか?」

「・・・はい…ヨ、ヨン?・・・」

小首を傾げ己の名を呼ぶ愛しい女。
朝日もまだ入らぬこの時分でも
その頬が朱色に染まるのが
分かるほど恩讐の頬が高揚する。

身支度を整えヨンが先に寝室を
出ていく…恥ずかしいと…
ひとりで身支度はできると…
まだ肌も合わさぬ恩讐には
肌を見せる覚悟はできてはいなかった。


「旦那様…おはようございます
先程からチェ尚宮様がお待ちに
ございます」

屋敷寝室からでたところで
使用人が声を掛ける。

「相分かった」

緩んだ頬を引き締めヨンは
叔母が待つであろう居間へと
向かったのである。

気配を消し叔母は出された茶を
啜っていた。

「叔母上…このような時分如何した
のだ」

「王妃様が嫁御に会いたいと
申されての…迎えに参ったのじゃ
気候もよいであろう…茶会を
催したいそうじゃ・・・」

「・・・」

茶会などと、そう思うヨンでは
あったが、王妃様の命に逆らえる筈も
なくしぶしぶではあったが
恩讐と共に出仕したのである。





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