生きる意味(甦れ) 7 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「テジャン・・・違う!
大護軍!!お、お、おれ・・・
ひとり残され、つ、つ、辛かった
大護軍が医仙様命なのは十分分かって
いたけど、海に沈むあの背中を
思い出すと・・・わぁ~ん・・・」

テマンは顔をぐしゃぐしゃにしながら
ヨンに抱きついていた。

「・・・テマン・・・すまなかった
なれど俺にはウンスがおらなば
生きる意味がなかったのだ
そう泣くな…」

ツンツン頭のテマンをガシガシと
撫でてやり、ヨンは困ったように
顔をしかめていた。

「あのぅ~・・・医仙様って
誰のことですか?それにお二人の
仰ることが理解できませんが…」

「・・・」

愛しいウンスならば
思い出すのも憚れるであろう
あの折のこと・・・。

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その当時大護軍であったヨンは
戦に赴いていた・・・。
無事に王子を出産した王妃であったが
産後の肥立ちが悪く
ウンスや
典医寺侍医の努力の甲斐もなく
その生を終えたのであるが
それから王様のご様子が変わられ
たのである。
女人を見れば「王妃!」っと
・・・。
天界からこの地に降り立ったウンス
ならばそれがなにを意味するのか
なんの病なのかはすぐに目星が
ついたのだが・・・悲しいかな
高麗では治療する術もなく
ましてや相手は一国の王である為
その病名を公には出来なかった。

そんな王様を気にかけ
ウンスはヨンが留守にも関わらず
ひとり足しげく王様のもとへ通い
ウンスを自害と追い込む忌まわしい
出来事が起こってしまったのである。

誰も恨んではいなかった・・・
ただただ
自分が許せなかっただけである。
包み隠さず伝えることが出来たなら
受け入れてくれたのだろう・・・。
なれど、ヨンならば
王様に鬼剣を向けるに
違いない…それだけは避けなければ
ならなかった。
戦から帰還したヨンがその骸を
見つけたのは海辺に近い小さな
番屋であった。

そしてヨンは幾日もその骸を
胸に抱き過ごしたのであったが
息を吹き返す筈もなく
冷たくなったその額に唇を
落とすと、ウンスを胸に抱き
浅瀬から入水しウンスのあとを
おったのである。
テマンがその背を遠くで見つけたの
だが…間に合わなかった・・・。
辺りか一面真っ赤に染まり
その最期を見届けたのである。

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『イムジャ…?貴女に何があったのか
見当がつかぬのだ、なにゆえ
俺を置いて逝ったのだ?
医官であったのだろう・・・
貴女が常々口にしておった
命は尊いものと・・・
いや頑固な貴女のこと故容易く
口は割るまい…』

黒曜石のような瞳が雄弁に語り
恩讐を見つめていた。

「戦や殿居以外は屋敷に戻る故
夕餉を共に…それと・・・
寝室はともにする故よいであろう?」

「へっ?えぇ~~いきなり?
は、はぃ…畏まりましてございます」

恩讐の大きな瞳がパチパチとなんども
瞬きを繰り返すのである。

「ひとつ尋ねてよいか?
年はいくつになるのだ」

「し、失礼な!!おなごに年を
聴くなど…へっ?ほんとうに
興味がなかったんですね…
ぅん!二十四になります」

「そうか…俺は二十九になる
よろしくたのむ」


>>>>>>

皆様こんにちは。

えっと…このお話は以前書きました
「あなたを探して」の切なく辛い
最終話編の後編になります。
生まれ変わり編ですね・・・
実際最終話は変えましたが
あらすじだけでも文才のないでんべには
うまく伝わるか心配であります
それを話に組み立てるのは
難しいのと辛すぎて描くのを
諦めた経緯がありました。

その最終話をうまく描けたなら
「生きる意味」をあげようと
思っていましたのでそれで
丸く収まるかなって・・・
どうしてそんな最終話をむかえたのか
どうして生まれ変わり編が
必要だったのか・・・。
ヨンとウンスはどう立ちまわれば
「」←(敢えて中身は書きません
ネタバレになりますから)
変わるのか。

番屋…海辺近くにある漁師の休憩所を
さします。

忌まわしい出来事は皆様のご想像に
お任せ致します。

ウンスが前世を思い出し
チャンチャンでは終わりませんので
お付き合い下されば幸いです。

でんべ


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