「チェ尚宮?恩讐殿は府院君に
何を言っておるのであるか?
王妃もそなたも失笑しておるでは
ないか」
「・・・恐れながら王様・・・
お聴きにならないほうが宜しいかと
思われます」
クスクスと口元を押さえながら
笑い声が漏れるのを
堪えていたのであるが近くにいる
王様の耳には届いたようである。
「構わぬぞ申してみよ?」
「はい…徳成府院君殿を知らぬ恩讐殿は
・・・「脚が・・・クスクス・・・
短いと言っておるのでございます」
「・・・アッハハハ…こ、これは
失礼した・・・そうか…面白い正室で
あるな・・・んっ?以前このような
女人とどこかで会っていたような
・・・う~ん…思い出せぬ」
ぶつぶつと独り言のように呟き
腕を交差させ小首を傾げる
王様であった。
そんな中で茶会にお招き頂いた
お礼を述べるためヨンと正室恩讐が
上座の前へと歩み寄る。
「王様…このような盛大な茶会に
お招き頂き恐悦至極に存じ上げます
我が妻は人見知りが激しく
このような姿である事をお許し
頂きたくお願い申し上げます」
「よい…元よりこのようで
あったのぅ~、余は
何もしておらぬのだかな・・・
仕方あるまい」
ふと見るとヨンの大きな背中に
隠れぶるぶると身体を震わす
恩讐である…なれどその手は
しっかり繋がっていた・・・。
「大事ない…俺がおる
俺だけをみよ」言っているような
そんな優しく頼もしい手であった。
震える度にぎゅっと握り返され
恩讐もまたぎゅっと握り返す
そんな微笑ましく見えていたが
恩讐とヨン二人の胸のうちは
そうではなかったようである。
「うふふ…羨ましいかぎりじゃ・・・
そう思わぬかチェ尚宮?」
「お見苦しいところをお見せし
心苦しくおもいます」
いまだ心通わすことがない王様と
王妃様である。むろん寝所をともした
こともないのである。
そんな王妃様の心情をお察しし
頭を垂れるしかなかったチェ尚宮で
あった。
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