生きる意味(甦れ) 4 | シンイ二次小説でんべのブログ

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役目を終え
知らず知らずのうち脚は屋敷へと
向いていた…気になるわけではない
名も知らぬではチェ家の沽券に関わる
そんな大層な大義名分を
勝手に作りだし屋敷前に着いたよう
である。

「●■★×○□★…うふふ」

顔も名も知らぬ正室の笑い声が
門のところまで漏れ口の端が
あがる。気を取り直し業とらしく
咳払いを落とすと屋敷玄関で
言葉をつなぐ。

「ゴッホン…着替えをとりに参った」

「だ、旦那様!!」

なんの前触れもなく
主が戻ったのである…その声に
使用人と正室は慌てふためくのである
本来なら主と女主が集い
食を頂く奥の間で「ガッチャン」っと
陶器の割れる音や衣が擦れる音が
聴こえていた。

ふと目を向ければ
淡い藍色のチマチョゴリに袖を通し
陶器のように白い肌の正室が
恥ずかしそうに俯き佇んでいた。

「某・・・チェ・ヨンと申す
そなた名はなんと申す?」

「・・・はい…旦那様私めは・・・
柳恩讐(ユ・ウンス)と申します!が
今頃ですか!!正室として嫁ぎ
まして一度もお会いすることもなく
季節はが変わろうとしております
はぁ~~嘆かわしい
私めは里に戻らせて頂きます
魏王様にはこのことしかと
ご報告させて頂きます!
誰か輿の用意を…今宵は王妃様の
ところに参ります」

「ならぬ!」
『ユ・ウンス・・・とな…』

何故か咄嗟に口から突いて出た言葉で
あった・・・。
懐かしい響きであるそう思ったの
かもしれない。
遠い昔その名を幾度も叫んだような
記憶があるような・・・なれど
その記憶を呼び起こそうとしても
頭の中の靄が取れず
ぶるぶると左右に振り顔をあげる。

「某は兵舎へ戻る故そなたは
屋敷で過ごせばよい
当家主の命は絶対故、違えること
罷り成らぬそう心得よ」

「・・・今さら・・・」

正室である柳恩讐はそう呟くと
悔しそうに唇を噛みしめ
主と啖呵を切ったその男(ひと)の
去り行くその背を
じっと見つめていたのである。

「旦那様!せめて夕餉をお召し上がり
下さいませ~~…あっ旦那様、
奥方様のお言葉がお分かりになられる
のでございますか~~旦那様~」

「・・・」

使用人の呼び掛けに
振り反ることもせず屋敷から逃げる
ように姿を消すヨン。

飯などどうでも良かった・・・。
遠い昔を…頭のなかにある靄を…
何故懐かしい名と思うのか・・・
ヨンはそんなことを考えていた。
臍の脇に同じ傷を持つ女人・・・。
偶然の悪戯か…はたまた策略絡みが
隠れているのか…今のこの男には
知る由もなかったのである。


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柳恩讐・・・ユ・ウンスと読みますが
ドラマの中での役名の漢字が違います。
ちぃ~とこのままで通しますので
あらかじめご了承下さいませ。

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