あなたを探して 88 最終話 | シンイ二次小説でんべのブログ

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ヨンが身を挺しウンスを守ってから
数日が過ぎた頃典医寺へ
王様と王妃様が揃って顔をおだしに
なられた。

「大護軍・・・大事に至らず
安堵いたしたぞ…聞けば
日頃の鍛練が功を奏したとか
大したものじゃ」

「はっ!ありがたきお言葉
恐悦至極に存じ上げます。
某の一番は常にこの方故
この方に刃を向ける者あらば
この身を投げ出す覚悟は常にできて
おります故」

「もう…大護軍の職にある人が
そんなこと言っていいのかしら?」

「医仙殿…いや此度は奥方と申せば
よいの、怖い思いさせてすまなかった
余の前にも関わらずあの騒ぎは
不届き千万であった・・・
これよりは宣仁殿に出入るする者
すべて内官が先頭に立ち
持ち物を改めることと相成ったのだ
むろん余の命ゆえ重臣らも
逆らえぬであろうの…でじゃ
この雪を掻き分け
戦を仕掛ける国もなかろう
大護軍には暫し暇を申し付ける故 
ゆるりと養生するがよいぞ」

「王様…」

これしきのかすり傷己の内功で
どうにでもなると思っているヨン
ではあったが王様のお言葉に
少々眉を下げ困惑顔をするのである。

「うふふ…大護軍?姉上様もともに
じゃ…王様のお言葉に甘えれば
よいのじゃ、常日頃から戦や
王宮内の出来事に気を張りすぎて
おるであろう・・・?
褒美と思いゆるりと過ごして
ほしいのじゃ…」

「えっ?私も良いんですか?」

「王妃の言う通りに致せばよい
介護をするのも優れた医員の役目で
あろう…ぶらりと湯治に出るもよし
屋敷にてまったりするのもよし
十日じゃ羽をのばしてまいるがよい」

「でも・・・王妃様がご懐妊して
いるのになんかあったら・・・」

「医仙殿…此度の働きにより
そこに控えし医女二人を
医仙殿がおらぬ間、王妃そば近くに
召し抱えようと思うがどうじゃ」

「まぁ…それはよいお考えとおもいます
イルムちゃんもアルちゃんもとても
優秀ですからきっと王妃様のお力に
なること間違いなしです…ふふふ」

「・・・め、滅相もございません。
私らが王妃様のおそばになんぞ…
それに私らには志がございます
民に寄り添い、心根も身体の痛みも
緩和してあげなければ
都に出てきた意義がございません」

恐れ多いのと
自ら民に寄り添うと決めた以上
信念を曲げることはしたくないとの
強い意志の現れかアルはきっぱり
言い切る。
イルムもそれに同意するように
大きく頷くのである。

「ふふふ…貴女方らしいわ
でも大丈夫よ…私も都の・・いえ
この高麗の民に寄り添って欲しいと
思っているから…私がそうして
あげられればいいんだけど
そうもいかないから・・・」

今、王宮を退き医院を開き
そんなことはできる筈もなく
ウンスは悔しそうに唇を噛み締める。

「ウンス…?」

「大丈夫よ、ヨン…ありがと
そうと決まったら湯治にいきましょう
いいでしょう・・・温泉大好きよ」

こうしてウンスが留守の間
イルムとアルが特例の名の元
王妃様近くに一室を設けてもらい
ご懐妊している王妃様の世話を
甲斐甲斐しくしているのである。

一方…ヨンとウンスは
江華島に向かう輿の中にいた。

チュホンにはテマンが跨がり
輿を先導する。
年も明けまだまだ根雪も溶けず
辺り一面白い絨毯をひきつめた
ようであったが、御者はソウとバルが
つとめていた。

「久しぶりよね、ヨンと二人
こんなにのんびり出来るのわ
でもお腹の傷大丈夫?」

「ああ、かすり傷に過ぎぬぞ
案ずることはまったくない」

「ほんとよね…今朝着替えを
手伝った時驚いちゃったわ
手術からまだ一週間えっと
七日の意味ね…もうお肉が
盛りはじめていたから・・・」

「ウンスの処置が的確であった
お陰だなぁ…なれどあのままで
あったとしてもこれしきで
俺は死なぬ」

「うんっ…わかってるけど
医者としては見過ごせなかった
んだもの
仕方がないじゃない、んぅ?」

突然塞がれた唇。
愛しい人からの口づけは驚きは
するが…嫌いじゃないウンス
瞳が自然と閉じるのである。
その甘い口づけはウンスが
高揚し頬が朱色に染まるまで
続くのである。

「・・・はぁ~いけない人なんだから
貴方が欲しくなるじゃない・・・」

「それでよい
俺のこと以外考えるでない」

黒曜石のような深く澄んだ瞳が
じっとウンスを見つめそう呟く
今年も…いやこれから先
ずっと愛し続けると
なんとも雄弁に語る瞳である。






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前作87話のリンクを張ります。
忘れていると思うので→ヨン&ウンス

「あなたを探して」最終話でした。
お付き合い頂き本当にありがとう
ございました。
末広がりと言われます88話で
完結できたこと
嬉しく思うとともに皆様に幸多かれと
切に願う次第でございます。

ご出演頂いた皆様です。
順不同

ソウタリアンmama様…ソウ。
ららららら様…バル。
韓流大好き主婦様…チャミ。
alcchi様…アル。
あみい様…サンミ。
irumu2様…イルム。
z0986k4591t様… ディジー。

本当にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

さて・・・しばらくお休みを
頂き考えたいと思います。
続けるなら書きだめしなければ
ならないし、長編が完結したので
ひっそり消えたいとも思うので
あります!(笑)

どちらにしろ結論はお知らせ
致しますのでお待ち頂ければ
幸いです。


でんべ。

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