生きる意味 (動きだす時)68 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「チュンソク!チョモ!!」

「「はっ!」」

兵舎へ姿を見せたヨンはチョモと
チュンソクを名指しで呼び
二階執務室へとぐいっと顎を
動かす。
長い脚を振るに活用し
三段飛びで先頭を突き進む
その背中は、何を語るのか・・・
緊張気味に、二人はその後に続く。

「チョモ?お前なら身代わり
を務めることができるな?」

「「へっ?」」

素っ頓狂な顔をし、チュンソクと
チョモはヨンを見つめる。

「拝謁は風邪を理由に断ればよい
王様の私室から出てはならぬ
その衣を羽織り後ろ姿だけ見せれば
よい」

「ゴッホン・・・護軍?
おっしゃる意図が分かり兼ねますが
どちらの方の身代わりをチョモに
させるおつもりでございましょうか」

「王様である。チョモならば
恐れ多くも身丈もさほどかわりなく
後ろ姿だけでは判断がつかねはず
故に、チョモよいな?」

寒くき~んっと冷えた
外を眺めながら、その背は
何事もなかったようにそう呟く。

「ほ、護軍
ひとつお尋ねしてもかまいませぬか
・・何故王様の身代わりが
必要なのでございましょう??」

「・・・チュンソク、王様と王妃様は
湯治とやらに出向き
一晩お泊まりになられる。
だが、重臣らが容易く許す筈もない
のだ。ならば身代わりを立て
心おきなく出向いてもらうつもり
でおる」

「・・・」

「王様の身代わりなどおれには
恐れ多い事です。
ですがら護軍…願わくば辞退させて
頂きたいです」

「チュンソク、チョモ
都の民は何を望んでおると思う?
この地の安泰が未来永劫続く
事だとは思わぬか?」

「仰せの通りかと」

「であろう…ならば
王様にお欠けしているのは
言わぬともわかるな」

う~んう~んっと小首を捻る
チョモとは対照的に、ぽんっと
拳を手のひらで叩くと
チュンソクはその背から瞳を離し
チョモに向き直り口を開く。

「チョモ?このお役目
おまえしかできぬのだ、仰せに
従いお役目を全うせよ。
護軍!某にお任せ下され
瓜二つの背中にして見せます」

「頼むぞ」

「はっ!」

それからと言うものチュンソクの
試練は続く。
「違う!そうではない」
恐れながらと王様のお髪(ぐし)にふれ
髷をどうされているのか?
後れ毛の処理は?等々
完璧を求めるあたりがチュンソク
らしいと言えばチュンソクらしい
のだが・・・。
少々やり過ぎがたまに傷ではある。

「先輩・・・」

チョモも大概辛抱強いが一刻もの
長い刻を直立不動で立ちぱなしでは
愚痴が口から突いて出るのも
わからないでもない。

「うんうん…こんなところであるか
・・・よし、護軍をお呼びする故
一歩も動くでないぞ」

「は、はぃ・・・」

そう言い残しチュンソクは
鍛練場から姿を消したのだが
寒空の中ひとり取りのされたチョモ
の身に災難が降りかかる。

ウダルチいち口が軽いまたは
ウンスの世で言うところの
チャラいと言われるトクマンである。


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