直撃するかと思われた雷功は
その勢いが足りなかった・・・。
へなへなと腰砕けになるテイメイ
そして「はぁ~はぁ~」っと
荒い息を繰り返し
それでもヨンを睨み付ける威勢だけは
あるようだ。
波打ち際で手首まで海水につかり
土下座する格好となったテイメイ
その前へ歩を進めるとヨンは・・・。
「内功とは操り方によっては
己の身を滅ぼすものだ…お前の師匠が
ムン・チフとは真か?
あの方は俺が父と慕ったお方故
おまえごときが師匠と呼ぶのは
はなはだ迷惑である」
「はぁ~はぁ~・・・
憧れの存在だった…三日月の額あて
そして悪の組織に立ち向かう
あの姿…我の村にすがたを見せた時
我はムン・チフ様に弟子を願いでたが
却下されてしまったのだ・・・
悔しく情けなく落胆したものだ
訳を問うと、なんて言ったか
わかるか?あの人は我には
器がないと言ってのけたのだ
まぁ信義なんぞくそ食らえとは
思っていたのはたしかだがな」
「赤月隊はあの方の信義に
心打たれた者らの集まり
闇に蠢く悪党どもをその信義の元
成敗し、闇に葬ってきたのだ
・・・なれどもう誰も残っては
おらぬ…俺は唯一生き残り
赤月隊小隊長であった
チェ・ヨン…お前は我流で
雷功を身に付けてたのであろう?」
「・・・そうだ!悪いか
誰も教えてはくれないのだから
仕方がないじゃないか」
「己を心身ともに磨かねば
内功など操れぬ…そう言うものだ
見よ!信(まこと)の雷功を」
ヨンはそう呟くと
遥か彼方に停船する
海賊船に向かい手を翳すと
「ドドドッカ~~~ン」っと
けたたましい爆音を響かせ
海賊船は木っ端微塵となったのである。
「わ、わ、我の船が・・・」
「お前と違い俺は息も切れては
おらぬ、鍛練がものを言うのだ
よう覚えておくことだな」
ヨンはそう呟くと
陸に向かい踵を返すのである。
ヨンの雷功の凄まじさに
負けを痛感した海賊どもが
へなへなと座り込み呆気なく
決着がついたのであった。
信義を貫きともに切磋琢磨した
赤月隊の仲間はもう誰もいない。
許嫁であった女人も
ムン・チフ隊長を死に追いやった
のは、自身と
己をせめ自ら命を絶った忌まわしい
記憶がヨンの脳裏を駆け巡る。
一日も早くと死を望み幾度となく
戦場に赴いたが、幸か不幸か己を
負かす武将と出くわす事がなかった
だけではあったが…今にして思えば
生きていたからこそ
ウンスと出会い魂の片割れと思える
愛しい存在となったのは
先に逝った仲間に改めて感謝する
ヨンであった。
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