「ようございました大護軍…
某も肩の荷がおりまして
ございます」
「ああ…すまなかった
王様はどうしておられる?」
「はっ 案じておいででございました
『どこへ行ったのかのぅ~
余を見捨て国を見捨て
安住の地をみつけたのかのぅ~』
っと、某の顔を見れば口癖のように
お口にされておりましてございます」
「・・・」
無事に高麗へ戻り中庭で
夕日に照らされ
ながらそんな話をしていると
表通りが急に騒がしくなる。
使用人であるヒョモが
息を切らしながら二人のそばまで
駆け寄る。
「だ、旦那様~~!輿が輿が…
大勢の兵士に囲まれこちらに
向かっています~」
「チュンソク!!」
「はっ!」
ヨンの予測は的を得ていた。
兵士が囲むのであれば
それは王様しかおられないのである
すぐさまヨンとチュンソクは
表通りへと駆け出し
目視で二台の輿が見て取れると・・・。
「隊をとめ~~」
チュンソクが声を張り上げる。
ウンスやチェ尚宮もヨンのそばまで
駆け寄り、輿がこちらに向かうのを
見つめていた。
「叔母様?もしかして?」
「そのようだな…王妃様まで
お連れするとは・・・」
そう呟くとチェ尚宮は足早に
歩を進めるのであった。
瞳を丸く見開いていたウンスも
ヨンとともに遅ればせながら
輿へと脚を運ぶ。
「王様・・・」
「大護軍!遅いではないか!」
「はっ!申し訳ございませぬ
三月も過ぎていたとは・・・」
「王様…ここは往来にて声を
荒げてはなりませぬ・・・
妾は屋敷へ行きとうございます」
「そうであったのぅ~すまぬな
王妃よ…大護軍…無下にはできまい?
はよう案ない致せ…クックッ」
大護軍と医仙が無事に戻ったと
知らせを受けたのだろう
王様が二人の出仕を待ちきれず
急ぎ駆け付けた様子がうかがえる
のだ…王様のお召し物が・・・
後ろ前である。
「ふふふ…ご心配お掛けし
すみません…お土産があるんですよ
王妃様…さぁ~行きましょう」
たまたま居合わせた民が王様、
王妃様と分かると地べたにひれ伏す
中ゆるりと歩を進める一行であった。
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