あなたを探して 43 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ヨンア…着いたようよ
どこへ導かれたのかしら?」

「わからぬ…なれどウンスには
聴こえはしなかったか?「一刻」と」

「えぇ・・・どこからかそんな声が
したみたい…あれはなんだったのかな
~」

「一刻しか時がないのであろうな
・・・ウンス?俺から三歩離れては
ならぬぞ」

「うん!わかってる…また離ればなれに
なんてなりたくないもの
それに今日婚儀だったのよ
あまりに酷い仕打ちだと思わない?
叔母様や親戚縁者の方々が
心配されているわよ」

ウンスは口を尖らせおかんむりの様子
だが…目の前がすっと広がると
今度はウンスの瞳から溢れん
ばかりの涙が頬を伝う。
懐かしい山々、麓に広がる田園風景
その中にぽつぽつと佇む家々
逆光ではあったがウンスにはそこが
どこかすぐに分かった・・・。

「ヨンア…ここは私のいた世界よ
どうして・・・クスン・・・」

「まことか?」

一度だけその目に映った景色とは
異なる、田舎ど思われるが
高麗の風景とも違いどこか懐かしさを
覚えるヨンであった。

天門の出入り口、すなわち二人が
一歩を踏み出した地は
ウンスの実家から数歩の距離に
あり両親がウンスが旅立ってから
娘の無事を祈り手を合わせていた
祠である。

「ここがどこか私には分かる
ヨンア…行こう」

ウンスはすべて悟ったようである
謎の光に導かれ招かれた天門…
一刻と聴こえた言葉の意味
もう二度と会えないこれが生涯最後の
時間…僅か一刻ではあったが
ウンスはヨンの手を握り一歩を
踏み出した。


「アボジ~オモニ~ただいま!」



「へっ?お父さん?この声ウンスよ」

「あぁ…確かにウンスの声だけど
テレビじゃないのか?
ウンスは高麗にいっちまったんだ」

役所関係の仕事を退職し
空気がうまい田舎で暮らそうと
この地に越して、はや数年
一度拐われと思っていま娘が
突然舞い戻り無事で良かったと
喜んだのもつかの間
愛する人がいると…それも数百年前へ
戻りたいのだと。
眠る事を忘れたように何日も
語りあった…そして娘ウンスが
幸せならばと両親は断腸の想いで
送り出したのだ…そんな娘がと
のんきに茶を啜る父である。

「誰もいないの~・・・
ただいまってば~~」

「お父さん!テレビじゃないわよ!
ウンスよ、ウンスが帰ってきたのよ」



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