あなたを探して 9 | シンイ二次小説でんべのブログ

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都の賑わいがウンスの心を踊らせる。
気鬱だったはずのウンスが
瞳を輝かせ、チュホンからいまにも
飛び降りそうな勢いである。
市井の中を行き交う高麗の民は
活気に溢れ、夕餉の食材を求める
人々で賑わいをみせていた。

「イムジャ?衣は俺が揃えており
ます。お気にめして頂けるかは
定かではありませぬが・・・」

照れたようにぽつりと呟き
鼻の頭をぽりぽりっと擦るヨン
そんな仕草を垣間見ると
戻って来たんだと改めてウンスは
嬉しくなり涙がその頬をはらりと
伝うのである。

「イムジャ!如何したのだ?」

「・・・ううん…違うの
戻って来れたんだって思ってね・・・
貴方のその仕草を見たら
嬉しくて…つい・・・」

「これからはずっと共におる。
されど戦が止むことは・・・」

「うん…わかったてる
おとなしく待ってる必ず無事に
戻ってきてくれるんでしょう?」

「無論だ!・・・イムジャに悲しい
思いはさせぬ故俺を信じ屋敷に
・・・いや…イムジャは
どうしたいのだ?」

「え?何が?」

「王様に願い出、婚儀の許しを
すぐに貰うがそれまで俺の屋敷で
共に住まうのはいやか?」

「構わないの?…前にも言ったはず
だけど、私のお守りは大変よ
それでも構わない?」

「重々承知しておる…されど
ひとりで市井に出向くのは
やめてくださらぬか?」

「わかったわ、それと貴方の名前で
呼びたいんだけどいいかな?」

「ヨンっと・・・」

いまは亡き二親がそう呼んでいた。
身近にいる近しい肉親である叔母は
名を呼ぶことは滅多にない。
愛しいウンスには名を呼んで欲しい
そう思うヨンであった・・・。



>>>>>>

「まだかの~・・・」

「もうまもなくかと思われます
お身体に障りますれば
気をお揉みなられませぬよう
お願い申し上げます」

「八年になるかのぅ~
医仙殿が姿を消されてから・・・
妾より少し姉様だったはずじゃ
いまはどう変わられたか
お会いするのが楽しみなのじゃ」

「甥より年上ではないかと
思われます・・・」

そんな会話を繰り広げていると
武閣氏のひとりが、二人が王宮に
到着したことを伝える。

「チェ尚宮?医仙殿が…医仙殿が
・・・」

「ご挨拶にお連れいたしますれば
こちらでお待ちになられた方が
・・・」

「いやじゃ・・・妾も参りとう思う
チェ尚宮?ついて参れ」

王妃様の殿である坤成殿の私室を
女官や護衛の武閣氏をぞろぞろと
引き連れ王宮中庭へと向かうので
あった。

そこにはすでに王様もお出ましになり
二人の到着を待っていたのである。


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