もうひとつの木春菊 最終話 | シンイ二次小説でんべのブログ

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あれからと言うものソマンとヒヨン
それにスンジャも加わり
数年暮らす中辛い別れが訪れようと
していた・・・。

「ウンス!!」

「え?どうしたの・・・まだ眠いんだ
けど・・・」

「か、身体が・・・俺たちの身体が」

初めてではないのか
こんなにも動揺するヨンを見るのは
冷静沈着、戦の世であっても
頭が回り策を練る
その咄嗟の判断が己を護り仲間を
護る。そんな男が瞳を見開き
言葉も途切れがちであるのだから。

「え!どう言うこと?」

かぱっと布団をめくりウンスは
自身の状態を確かめる。

「・・・ヨン・・・貴方もじゃない」

「あ、ああ~・・・」

お互いの爪先が透明化しているのだ
ヨンとウンス、二人の輪廻転生が
始まってしまったのだ。

ものは考えようであり
お互いの両親が無事に巡り会い
子を成したと言うことではあるの
だが・・・。

「もう時間がないようね・・・
あの子らを呼ばなきゃ
誰かいないかしら?エギョン~?
サンミ~?イルム~?」

「はい奥方様サンミがここに」

「あ、ありがとう…ソマンとヒヨンを
連れて来てくれるかしら?」

「畏まりましてございます」

いつどうなるかも分からない中
イルム、サンミは閨の前で
毎夜交代で張り付いていたのである。
バタバタと駆け出しすぐに
寝ぼけ眼の幼いソマンとヒヨンを
連れてくる。

「奥方様お連れ致しました」

「ありがとう…入って頂戴
もう私達動けないから」

「・・・では失礼致します」

静かに戸口を開くと
サンミが目にしたのは布団が捲られ
足元が露になった二人の姿
されどその足元はすでに
透明化している。
その姿に驚きを隠せないサンミだったが
一呼吸し、ソマンとヒヨンを
寝台の上に乗せ駆け出して行った
のである。

「み、皆を連れて来ます!」

「とと?かか?いくの~いやいや
そまんさみしい~~・・・」

「ちちうえ~~、ははうえ~~
おいていかないで~~ヒックヒック」

「・・・そうね~・・・別れるのは
ほんとうにつらいわ・・でもね
約束したでしょう?必ずお父様と
再び出会い貴方たちを生んでみせるわ
だから…お願い悲しまないで
これは再び出逢う為の試練なの
いまを乗り越えなきゃもう会えない
かも知れないのよ…クスン」

「母上の言う通り…しばしの別れに
過ぎないのだ・・・
いつの世であろうが母上を探しだし
結ばれるであろう
それまでの鍛練と思い待っておれ」

「ふふふ…ヨンが一番動揺してた癖に
・・・クスン」

「な、何を言う!俺はだな
その・・・」

「はいはい…そう言うことにして
おきます・・・二人ともおいで」

ヨンが後頭部を擦りながら
罰が悪そうにしていると
二人の幼子がこくりと頷き
ウンスの胸元目掛けてよじ登る。

辛うじて腕はまだ動くようで
そんな二人をウンスはぎゅっと
抱きしめる。

「ソマンはお父様と同じ香りが
するわ・・・そしてヒヨンは
私の香りかしら?お花のような
甘い香り・・・ふふふ
覚えておくわ。絶対忘れないから」

「ウンス~~」「上護軍!」

トクマンやアル。エギョン、イルム
サム、テマンやヘジンらが
開け放された戸口に集まりだしていた。

「俺はまた上護軍の私兵として
生まれ変わりたいです
忘れないでください!きっと
俺を探してください。お願いします」

「テマン退け!俺の番だ!
このトクマン迂達赤じゃなくても
上護軍のあとを追って行きます!
また稽古つけてください」

「旦那様退いてくだされ!
医仙様の警護はこのアルが承ります
忘れないで下さいませ」

「トクマンさん退いてけろ!
おらたちも忘れねぇで欲しい
いつかまた旦那様と奥方様に
会いてぇだ」

「ウンス!チュンソク様を忘れないで
上護軍の右腕はチュンソク様
ですから!」

次から次へと人を押し退け
やってくる客人らに困惑顔の二人では
あったが・・・。

「強い縁がきっとみんなと
あると思っているから大丈夫よ」

「ウンス?またこやつらと
人生を過ごすと言うのか・・・
俺はウンスがおればそれで
よいのだがな」

「「「上護軍~~~・・・」」」

「もぅ~ヨンってば…皆が泣きそうじゃ
ないのよ…冗談よ・・・改めて
ありがとうみんな・・・また
会いましょう・・・必ず・・ふふふ」

「「「はい!」」」

「ウンス?」

「なあに?」

ウンスが顔を向けると
皆や子らの前でその唇が重なった
それはしばしの別れを惜しむ
口づけなのかも知れない。
そして二人はそのまま姿を消して
行ったのである。

「とと~~~~~」「かか~~~~」
「ヒヒ~~~ン」
ソマンの叫び声がいつまでも
閨に木霊し
皆の涙を誘うのであった・・・。



さくらんぼさくらんぼさくらんぼさくらんぼさくらんぼ
皆様こんにちは
いつもお寄り下さり本当に
ありがとうございます。
婆さんの拙い妄想話に
お付き合い頂き感謝しか
ございません。

もうひとつの木春菊(黄泉の国)
これにて完話致しました。
きっと再びヨンとウンスは
巡り逢い子を成すことと信じて
おります。

さて…次のお話ですが
また明日から仕事が始まります
毎日の更新はきついものが
あります・・・。
曜日を特定せず描き次第アップすると
言う形を取らせて頂きたく
宜しくお願い申し上げます。

私も好きな書き手さんの更新
まだかな~?っとネットを徘徊し
更新を待ちわびた記憶があるため
時間、曜日を決めて更新して
まいりましたがきつくなりました。
すみません・・・
お許し下さいませ。

そしてご登場頂いた皆様
本当にありがとうございました。
(とりあえず明日の更新は
ありませんのでご了承くださいませ)


でんべ




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