もうひとつの木春菊 13 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「しかしながら我が息子にも
触れさせぬとはソマン?ヒヨン?
すまぬの・・・
下界でもこうであったと?」

「お祖父様…父上様は母上命で
ございました・・・」

「ヒヨン!!余計な事を申すでない」

「ヨンァ・・・我が子に会えぬ母の
苦しみはいかばかりかヨンァには
分からぬのですか?」

「そうですよねお母様・・・
ですから今日はソマンとヒヨンと
三人川の字で眠りたいと
思っているんです
「親思う子に勝る親心」なんて
男親には理解できないんでしょうね」

「ウンス…それはなかろう
ウンスと離れて眠るなどあり得ぬ」

すべてが終わり日が昇り
無事に屋敷に戻った「家族」を
ヨンの両親は一睡もせず出迎えて
くれていた。
すでにソマンは幼子の姿に戻り
ヒヨンは若かりしころの姿のままで
ある。

大好きな母の膝の上にちょこんを
腰をおろしご満悦のソマンとは
対照的にぷすっと頬を膨らませ
じろじろとヒヨンは兄を睨んでいた。

「ヒヨン…仕方がないじゃない?
兄の方が幼子なんだし、だから
睨まないであげてよ」

「ですが母上様先ほどは・・・」

「そうなのよね~~・・・
多分幼子へとソマンが望んだんだろう
けど、内功を纏えば凛々しい
武士の姿に戻れて・・・
まぁ~何があってもおかしくない
世だから
理解できなくもないんだけどね
・・・ふふふ。どちらの姿でも
私には大切な息子だから
もちろんヒヨンもよ…だから
拗ねないの…」

『兄上!ずるいですよ』

その応えはなかった・・・。

「ヨン!手合わせをせぬか
私も身体が鈍っておる故
黄泉の国だからと安泰に過ごせるとは
限らぬ…ようわかったであろう」

「・・・叔母上・・・」

それからと言うもの
ヨンは人が変わったように
日々鍛練に明け暮れていた。
武器はないのだが手製で木刀を
作ることから始め
月日は流れる・・・。
基本暑くも寒くもなく
日々蝶が飛び交い心地よい風が流れ
四季を感じることはない黄泉の国。

そんな中ヨンは
一人閨から締め出され悶々とする
日々が続いていた。
その憂さ晴らしの為か
チュンソク、トクマン、テマンを
掴まえては手加減なしの鍛練を
していたのだ。

「う、う、上護軍もう少し
手加減して下されば嬉しいのですが
・・・」

「馬鹿を申せ!チュンソク
俺はあの折ウンスを見失った責めは
忘れることはないのだ
この世とて気を緩めてはならぬ」

「・・・」

「上護軍!閨から締め出され
憂さ晴らしをしているだけじゃ・・
痛って!!」

下界と変わらぬ
その一言がトクマンにとっては
命取りであった。
すぐさま後頭部を叩かれ
疼くまるトクマンの前には
鬼のような形相を張り付けた
ヨンがトクマンを睨み付けていた。

「あぁ~・・・あいつは
俺は知らねぞ~~、ヘジン?
行こう!」

「え?良いのでございますか
旦那様?」

「いいんだ…トクマンの奴は
ほっとけ!」

テマンはヘジンの手を取り
にかっと笑みを浮かべると
駆け出すのである。

だが日々の鍛練の甲斐もあり
ヨンは思わぬ内功を身に付ける
ことが叶い、我が息子の胸に
秘め決して口にはしなかった
想いに触れる事ができたのであった。


「ヒヨン・・・辛い想いをさせた
すまなかった・・・」



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