もうひとつの木春菊  8 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「離しなさいよ!ソマンはまだ
幼子なんだからね!
そんな乱暴に脇に抱えないでよ!」

漆黒の闇に紛れキ・チョルと徳興君に
拉致されたウンスとソマン・・・
徳興君に肘を乱暴に引かれるウンスと
キ・チョルに小脇抱えられ
足をじたばたさせるソマン。

「相も変わらずうるさい女人だな
地獄の門番にそなたを渡し
融通は図って貰うつもりなのだ
余らは門番の隙をつき
こちらの世へと脱走しておるからの
手ぶらでは門番も許すまいて」

「はぁ~なんで私が手土産に
ならなくっちゃいけないのよ!
私は道具じゃないんだから
そんなことよりソマンを離してよ」

ウンスは眉間に深い皺を刻み
肘をひく徳興君をぎょろりと
睨み付ける中ソマンは
無理をするなとばかりに
反り返りながらも
ウンスの名を呼んでいた。

「かか~~~」

「ソマン?大丈夫よ…必ず
お父様が助けに来てくれるから
気を強くもつのよ~」

「かか~・・・」

『とと~~~~~~!』

生まれながらの読功の使い手である
ソマン…高麗の世でもこうして
胸のうちでヨンを呼んでいた。
黄泉の国でもソマンの内功は
失われることはなかったようである。

されど…ヨン、ソマン同様
小脇に抱えるキ・チョル、その男も
また氷功はうちに秘めている
ただ脱走したのではなく
徳興君の目が届かぬ隙に氷功を用い
地獄の門番を氷らせていたのである。

『うるさい餓鬼じゃ
いっそのこと氷功で眠らせるか』

「・・・!」

ソマンはキ・チョルの胸のうちを
読んだようである。





短めですが・・・
休みの間にこの位なら(笑)

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