もうひとつの木春菊 7  | シンイ二次小説でんべのブログ

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辺りが煙幕に包まれ
ぷつっとウンスとソマンの気配が
途絶える。

「風を通せ!窓を開けよ!」

「「はっ!!」」

ヨンの怒号に迂達赤が散り散りに
分かれ片っ端しから窓を開ける。
広い屋敷の大広間である
窓を開けるにも一苦労の様子である

「ウンス!!ソマン!!」

窓を開けるとすっと風が右から左に
通り抜け煙幕が流されると
皆の視界が開けてくる。
そんな中…ヨンは鍛練を怠った・・・
瞬時にそう悟る。
日々平穏な黄泉の世…よもやこのような
折が訪れようとは思いもよらず
悔やまれるばかりである・・・。

「ヨン?ウンスとソマンの姿が
見えぬが、おまえは
気づかなかったのでは
あるまいな・・・」

「・・・」

「上護軍!キ殿と徳興君殿の姿も
消えておりますやはり機会を窺って
おったのやもしれませぬ。
もともとこちらの世にはおっては
ならぬお二人・・・」

「すまぬチュンソク…俺が怠けて
おった故・・・二人が迷い込んだ折
地獄の門へと送るべきであったのだ」

「ヨンァ・・・悔やんでも
仕方ないのですよ、今はウンスと
ソマンを探しだしお二人を
おるべき世へ送りなさい。
わたしの孫なのです・・必ずや
無傷で取り戻しておくれ」

「母上・・・」

ヨンとは頭ひとつ背丈が違う
小柄な母がヨンの両腕を懸命に擦り
そしてぎゅっと抱き締め想いを
伝える。

「母上・・・ご心配をお掛けし
面目次第もございませぬ…されど俺は
ウンスがおらねばいつの世も
たえられぬのです・・・もう迷いませぬ
必ずや二人を取り戻し戻って参ります
迂達赤!!俺に力を貸してくれ」

「はっ!我々がいまあるのも
上護軍と奥方様のお掛けで
ございますれば
どこへでもお供致します所存
みな!よいな!」

「「「おお~~」」」

チュンソクの問いにトクマン始め
トルベ、チュソクが拳をあげ
大きく雄叫びをあげる。

「叔母上?王様と王妃様を
屋敷までお送りしてくれぬか?
チョンス、イルム
父上と母上を頼めるか?」

「王様、王妃様はこのチェ尚宮が
お送りする、チョンスもイルムや
サンミもおる屋敷は案ずでない」

力強くその背を押す叔母の言葉に
ヨンは口の端を微かにあげ
腹の底で頭を垂れる。
いつの世も顔を付き合わせば
小言を言われていたがそれは己を案じ
てのこととヨンは知っている。

「上護軍?策は?」

「チュンソク…正面突破に決まって
おろう!参るぞ」

ヨンの激に頷き、その背を追い
ぞろぞろと屋敷を抜ける迂達赤…

「どうか無事に」と願いを込めて
母はその背を見送るのであった。



≫≫≫≫

毎日は無理かも知れませんが
この休みの間に
できるだけ話を進めたいと
思います。
よろしくお付き合いくださいませ。


でんべ


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