もうひとつの木春菊 6 | シンイ二次小説でんべのブログ

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漆黒の闇に包まれるころ
宴は歓喜の渦につつまれていた。
どこから聞き付けたか
旅一座の座長であったグンソクが
ひょっこり顔を出したからである。
こちらの世でも一座を組み
あちらこちらと顔を出し忙しない
日々をおくっていたのだ。

ウンスの世で言うなるしすと
とも言える俺様ぶりは健在であり
相も変わらず桃色の声援が飛び交う
盛況振りは生前と何ひとつ変わりは
なかった。

「おまえは・・・」

「ふっあはは…覚えておいで
でございましたか?光栄に存じ上げます
グンソクでございます
あの時の可愛らしい嫡男が
こちらへ無事に着いたとの噂を
耳に致しましてこれは
舞をお見せせねばと
馳せ参じた次第でございます」

「まぁ~、そうなのね
グンソクさんだったかしら
こちらにきても男前は健在なのね
ふふふ・・・でもうちの
旦那様も出逢えたあの頃のままだから
グンソクさんにも負けては
いないわよ」

グンソクはウンスの衰えることを
知らない美貌に吸い込まれるように
手を伸ばすがふと目をやれば
美味しいそうに肉を頬張る
ソマンの姿を目にとめ言葉を繋ぐ。

「奥方様もいつまでもお綺麗で
ございますね~、おお~!
お久しぶりでございます
わたしを覚えておりますか
坊っちゃん?」

「ちゃわるな!」

するすると元直の膝から降りると
ソマンはウンスの膝にちょこんと
座りグンソクを睨みつける。

「あの折もそう言われたと記憶して
いますが・・・相変わらず
母上が一番なのですね…クックッ」

意味ありげに含み笑いを浮かべる
グンソクとは対照的に
ブスッと口を尖らしそれでも
鷲掴みした鳥肉をしっかり握っている
食い意地だけはウンス譲りである。

「ソマン~怒らないのよ
さぁ~グンソクさん折角だから
舞って見せてくれるんでしょう?
お願いしますね…ふふふ」

「ええ…勿論でございますとも
皆さん覚えておりますでしょうか?」

「しっかり覚えていますよ
さぁさぁ殿方も集ってくださいよ
トクマン様も・・」

「おい!アル、おっ俺もかよ!」

「そうですよ。ここでは武士の体面
など皆無ですから・・・」

トクマンの声が裏返る中
この世でもアルを先頭に輪が広がる
ウンスもソマンの手を取り渋る
ヨンやトクマンを招き入れる。

「さぁ~王妃様もこちらへ」

「わ、妾もか?」

「こんな機会滅多にありませんから
是非ご一緒に・・・ふふふ」

「王妃?ウンス殿が申される通りじゃ
このような折は滅多にあるまいて
どうじゃワン・へもキ殿も?
下界の蟠りを帳消しにできるやも
知れぬでのぅ~、みなとふれあい
語るのも一興とは思わぬか」

「「・・・」」

畏れ多くもと王様のお言葉に
苦言をとおもうヨンではあったが
流石に憚られぐっと言葉を飲み込む
しかなかったのである。
それはチュンソク始めとするこの場に
居合わせたトクマン…たった今
顔を出したトルベ、チュソクもぐっと
押し黙るしかなかった。

大広間に大きな輪ができた
そこには皆が集う
グンソクとアルが先ずは見本を見せ
舞が始まる、グンソクの美声が
大広間に木霊する中・・・
一瞬で辺りが白い煙幕に包まれて
しまう・・・。



≫≫≫≫

皆様こんにちは
いつもお寄り下さりありがとう
ございます。
土曜日からゴールデンウィークに
入ります。なんと九連休です
なんとか更新できたらと思います。
ただ・・・旦那も九連休
恐ろしい・・・

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