愛しき薫りを求めて(過程) 31 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「そう・・・おめでとうテマン君
良かったわね…え?もしかしたら
迂達赤に入っちゃうの?」

「いえ…俺は生涯大護軍の私兵で
・・・・」

その日の昼下がりテマンは
兵舎から典医寺に戻り宣仁殿での
経緯をウンスに伝える。

「あ~、良かった・・邸から出て行き
邸を構えるのかと思ったから
・・・でもテマン君の為には
そっちのほうがいいのよね・・・
ほんとにいいの?」

「王様は俺が嫁をもらい子が
生まれたらその時にと
言って下さいました」

「まぁ~そうなのね・・・その時が
来たらきっとあの人が力を貸して
くれるから心配しないで良いと思うわ
もちろん私も!」

「ぬ、ぬな…ありがとうございます
その時まで一緒に居てくれますよね」

「あたりまえじゃない?例えその時が
明日になろうとその先もずっと姉弟
でいるつもりよ!」

テマンはその言葉に
心底安心したように笑みを浮かべると
典医寺の前にある一本の木によじ登り
きりりと前を見据える。

「テマンさんも貴族様か~・・・
私の身分では振り向かれるなんて
あり得ないのよね・・・」

「あら、ネネさん?テマン君
御執心かしら」

「え??・・・やめてくださいまし
ウンス先生・・・」

ネネは真っ赤に頬を染め
もじもじと俯く・・・

「うふふ…かわいいんだから
テマン君は結構男気あるのよ
あの人の背中を長いこと見ている
せいかしら…似てくるのよ・・
さあみんなお役目にもどりましょう」



一方兵舎では・・・

「トクマン?あの寝衣は
お前の入れ知恵か?」

「は、はい・・・トルベが一度女人に
買うと言って嫌がる俺を無理やり
付き合わせたことがあったんで・・」

「・・・まったく・・・トルベ奴
なれど・・・みなの婚儀の折
俺から迂達赤に贈るとしよう」

「へっ?ほんとうですか?
あの寝衣を俺らに・・・
大護軍?余程お気に入り
だったんですか?
いや~楽しみがふえました。
ずっと先のことなんでしょうけど
楽しみに待っています」

「ゴッホン・・・トクマン!余計な事は
触れずともよい…なれど・・・
折に触れ使わせてもらう」

テマンが典医寺へ戻り今頃ウンスに
伝えておるであろう頃
ヨンはトクマンらの婚儀の折は
あの寝衣をそれぞれに贈ることを
決めていた。なれど・・・
相手を見つけるのはずっと先の
事であろうとヨンは知っていたのかも
知れない。



次回最終話となります
私ごとですが仕事し出し
いい加減な事ばかり書いていたような
気がします・・・最終話はじっくり
取り組みたいと思いますので
明日はお休みします。
明後日お会いできると思いますので
お寄り下されば幸いです。

でんべ


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