愛しき薫りを求め (旅立ち) 11 | シンイ二次小説でんべのブログ

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こちらはすっかり春のように
日が燦々と降り注ぎぽかぽか陽気に
なっていた。どうやらヨンとウンスが
飛ばされた百年前とは
時の流れにずれが
生じているようである。

じっと天門を睨みつけるテマン。
微かでも開く兆しを見逃すまいと
微動だにしないのである。
そんな所にチュンソク率いる
高麗軍が敵を蹴散らし到着する。
鴨緑江西域の八つの軍事基地を奪還
すると言う、とてつもない王命を
受けて戦はこれから始まる。

「テマン!!やはりここいたか
王宮を探し回ったが
どこにもおらぬゆえここでは
ないかと思っておったのだ」

「テ、テジャン・・・」

「どうした?生気が感じられぬでは
ないか。うるさいほど飛び回る
テマンはどこへいったのだ?」

「だって・・・ほ、護軍が俺をおいて
どこかへいっちまった・・・
お、おれ寂しくて・・またひとりに
なっちまった・・・」

「テマン…テマンは決して
一人じゃないぞ、我々がおるであろう
トクマンもチョモもいるではないか
護軍は必ずお戻り下さる
俺はそう信じておるのだ、ここにおる
みなもそう信じておると思うぞ」

チュンソクの言葉に促され
テマンは、トクマンや古参の迂達赤
を見回すと皆大きく頷いている。

「テマン、テジャンの言う通りだ
お前は迂達赤ではないけど
俺達の仲間なんだ。だから泣くな
ほら立て・・・」

「ト、トクマン・・・」

トクマンの手を借り、テマンは重い
腰をあげ、くちゃくちゃな顔を
ごしごしと擦り顔をあげる。

「テマン…冬をどう過ごしたのだ?」

「こ、小刀で穴を掘ってほらあそこ」

見れば、天門の並びに
ひと一人が腰を屈め
入ればいっぱいの洞穴があった。

「ちぃっせいな・・・」

誰かがぽつりと呟く。

「テマン…飯は?」

「テ、テジャン…雪が降るまえに
獣を捕まえ少しづつ食っていたん
身体は清めてないけど・・・」

「通りで臭うはずだ」

「そ、そうかトクマン・・・」

臭うと言われテマンは己の腕を
くんくんと嗅ぎみなを笑わせる。

「冗談だ、テマン・・悪かった」

「テマン…本題だ、お前の力を貸して
欲しい、実は・・・」

チュンソクは王命を斯々然々と
テマンに伝える。

「で、でもおれここから離れることは
できないです。す、すこしでも
開いたら飛び込んで・・・」

「テマン。お前の気持ちは十分
わかるが・・ならば
この地に見張りをつける
開いたらお前は飛んで戻って来れば
よい、されど・・
ひとつ肝心なことがあるぞ…テマン
天門が開きお前が飛び込んだとして
護軍に会えるとは限らぬ
わかるか?いま護軍が、どこに
いらっしゃるかも分からんものを
むやみに探し回ったらとて
天門が閉じたら如何する?
テマンが戻って来れぬように
なるんだぞ、その間に護軍が戻って
いらしたら悲しまれるのではないか」

「・・・」

チュンソクはテマンの目線に合わせ
腰を屈め優しく問う。

「お、おれ…戻ってこれなきゃいやだ
しらないところでひとりじゃ寂しい」

「そうであろう、ならば力を貸して
くれるな、護軍が戻りし折
この地は我が領土でなければ
ならぬのだ」

こくこくと頷くテマン。

「そうか…すまぬな・・・
兎にも角にもやはりすこし臭う・・
川で身体を清めて参れ」

「は、はい!」

テマンは脱兎の如く駆け出し
あ~いつものテマンだと
みなは目元を緩め見送るのである



一方百年前では・・・

ヨンが崔沆に呼び出され策を
問われていた
むろんウンスもともにであった。

「江華島一帯に城壁を作り
都を囲う、さすれば蒙古に
攻め入る隙を与えませぬ」

「そんな事ができるであろうか?」

「崔沆殿 なにもやらず
蒙古の言いなり都を明け渡し
王様に親朝をお進めするおつもりか?」

「それは出来かねる」

「ならば…二重、三重の城壁を急ぎ
取りかかねばなりますまい」

ヨンは崔沆を見据えきっぱりと
言いきるのである。
ウンスはなんのことを言っているのか
見当もつかないが、ひとつ 
頭に浮かんだ神話がった。





江華島の城壁は、その昔神話上の君主
檀君が息子三人に作らせたのでは
ないかと、言われておるようですが
あくまでも神話であり
実際には、いつだれがと言うのは
不明のようです。

ヨンとウンスに住まう所を与える為
屋敷ちょうだい?わかったでは
いくら妄想の二次小説であっても
あんまりではないかと・・・
それで屋敷を与える大義名分として
城壁を使わせていただきました。
お話と言うことでお許しを。


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