木春菊  [託す] 53 | シンイ二次小説でんべのブログ

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二人は複雑な面持ちの中
厳粛なる静けさを取り戻し
婚儀が始まる・・・。

だがヒヨンは嬉しそうに微笑み
公主をちらちらと見つめている。
歳を召されてもいつまでも
仲睦まじい二親の背を見て育った
そして兄であるソマンも同様
いまだに側室でもと数ある縁談話を
撥ね付け仲がよいのだ。

「ヒヨン…嬉しそうね・・・。
でも・・・いえ…今は親として
喜んであげなきゃあの子は可哀想よね
貴方?ほら…眉間に皺が・・・」

「・・・」

ウンスはヨンの眉間に
そっと手を添え口の両端を手で
持ち上げ笑顔を作っていた。

「それは言えるが・・・
ソマンがチェ家当主として決めたのだ
口は出さぬが・・・この夫婦うまく
いくのであろうか・・」

ヨンは困惑顔をちらりと覗かせ
ウンスを見つめる。
公主様がチェ家に降嫁されるのだ
邸も新たに構えたと言っていた・・
どこにだ?何も聴いてはいない
ヨンはあれやこれやと
頭を悩ませていた。

厳かな婚儀が終わりを告げ
新郎新婦とソマンとスンジャが
挨拶にくる。

「父上、母上・・驚かせてしまい
申し訳ございません。恭愍王の罠に
填まりました・・・」

「はん?罠とな?」

「はい。半年ほど前でした
公主様が・・・」

それは半年ほど前
王宮の外に出みたいと言われた公主様
その警護を、なぜかヒヨン一人に
申し付け輿にお乗りになられた
公主様とその横できりりと眉を潜め
護衛についていたヒヨン
そこに恭愍王より命を受けた
ごろつき扮する兵士が
輿を囲み因縁をつけてきたのだ。
担ぎ手は手筈通り輿を降ろし
逃げ出す始末・・・なにも知らされて
いないヒヨンは、一人公主様を
お守りすべく、ばったばったとなぎ倒し
見事お守りしたのであった。

男児対し免疫のない公主様には
そのヒヨンの姿はとても頼もしく
みえ、一気に恋い慕う気持ちが芽生え
それはウンスの世で言うところの
初恋となったのであった。

それからと言うもの
恭愍王と魯国大長公主様から
猛烈な打診が続き
とうとう根負けしたのであった。

「まぁ~・・・やらせだったんだ」

「やらせとな?」

「ふふふ…いまみたいな事よ
王様が根回ししたんだもの…まったく
悪戯にもほどがあるわ」

「・・公主様。倅ヒヨン、若輩者ゆえ
ご苦労をお陰するやもしれませぬ
されど、何卒末長く互いを労り
慈しみお暮らしになられる事を
親として切に願うまでにございます」

ソマンがヨンとウンスの耳元で
小声で呟くと、ヨンは親として
願いを述べ頭を垂れる。

静かに頷く公主様…
その隣でヒヨンは照れ隠しか後頭部を
擦りながら口の端を上げていた。

「締まりないわよ!ヒヨン!
にたにたしないの。これから
大変なんだからね」

「母上・・・ぼくも三十手前です
家庭を持ちたい・・お二人や兄上の
ように、末長く一人の女人を
慈しみ子をなし育てていきたいと
思っています」

「そうね・・・。それがたいせつよ
で、邸はどこに建てたの?
親として見ておきたいわ…」

「 恭愍王と魯国大長公主様が住まう
殿の隣です・・・」

「ええ------!!」

やられた・・・入り婿に・・・
いや…人質に取られたとそう思ったに
違いない。隠居をし王様に支えることは
ないが、その心は常に都へおき
縛るつもりでおるのだと
ヨンは腹の底でそう思い盛大に
ため息を落としていた。

「貴方?考えても仕方がないわ
折角のご馳走頂きましょう」

「上護軍・・・心中
お察し申し上げます…」

「ああ…チュンソク俺の・・・」

ヨンは言葉を濁した
愚痴を溢す男ではない
されど・・・この現状・・・
困っちまう・・・



正月は書ためで乗り切れましたが
旦那の初出が9日です。それまで
短い更新かも・・・お許しを・・


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