木春菊  [託す] 31 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ウンス…食いすぎであろう」

年甲斐もなく
肉料理に食らいつくその姿に
流石のヨンも止めに入るほどである。
されど、両頬をぷくりと膨らませ
まるで栗鼠のようなその食いっぷりに
ヨンの目尻も下がりっぱなしであった。

「え?どうしてよ!熱いうちに
食べないと、味が落ちるんだから」

火鉢のそばに陣取り
こんがりきつね色に焼けた熱々を
鶏肉を頬張るその姿は
ソマンやヒヨンにも懐かしく
嬉しく思うのである。

「ほら、みんなも食べて
チョンスとテマンが折角焼いてくれて
いるのよ。エギョンあなたも
きっと元気になるわ・・・」

「頂きます!!うまい・・アルは
こんなうまい肉焼いてくれませんよ」

「なによ!悪かったわね~。でも
肉を買う禄も、貴方から頂いて
いませんから…もっと励んで
ちょうだいよ」

「ア、アル…それは言いっこ
なしだって、二人の禄を合わせれば
十分だろう?」

「知らない!」

王妃様が気を回して下さり
武閣氏である、ミント、アル
典医寺からはトギとポンも駆け付けて
いた。スリバンからは
マンボ姐さん、師父、サルム、ソウ
ジホとシウルの姿もある。
ヘジンとシウがこぢんまりと
隅の方で腰をおろしていた。
テマンが焼きたての肉をせっせと
運ぶそんな微笑ましい光景が見られる

「テマン…シウもヒヨンと
同じ歳のはず・・そろそろ嫁がせる
ことを考えてやらねばなるまい」

「へ?シウが嫁に行くんですか
いやいや…まだまだ先の事がですよ」

「そうか…十五になるのよね・・
高麗では嫁を貰える歳でもあるし
嫁げる歳でもあるのよね・・
なんか大人なんだなって
つくづく思うわ。貴方?どうにか
ならないの…」

「まったく。貴女ときたら
ほら、口の端に・・・」

「え?どこよ・・こっち?
取ってちょうだいよ」

口を尖らせ顔を突きだすウンスに
どきりとするヨン。
誰が見ても新婚のソマンやスンジャ
より、あまあまな雰囲気である。

「まったく…いくつになっても
変わらぬ奴よ・・・されど
こやつがこれほど
ウンスに執着するとは
思いもよらなんだのは事実・・
兄上様も義姉上様が亡くなられても
数ある縁談話をすべて断り
独り身を貫かれた・・・。おまえも
ひとりの女人を生涯離さぬのじゃな
兄上も呆れておろう・・」

「叔母上様・・。父上と母上は
魂の片割れ同士なんです。互いに呼び
合い、あり得ないほど偶然が重なり
めぐりあったんです。俺もスンジャと
そうなりたいと思っています。」

「・・そうか、その意気込みならば
時期に赤子を授かるであろうのぅ」

ソマンはスンジャの手を握り
笑みを浮かべる。

「どうしよう?貴方を!二人に子が
生まれたらおじいさんとおばあさんよ
乳母をしようかしら…あ・・・
お乳がでないわ・・・」

「・・・乳母をご所望か?
さすれば、今から期待に応えるが」

ヨンはウンスの耳元でぼそぼそと
小声で呟く

「へ?え~~~。無理に決まってる
じゃない・・あ!!」

ウンスは口を両手で押さえ
きょろきょろと回りを見回す。
『はぁ~危ない…ヒヨンも
まだ独り身の人もいるんだわ』

「「・・・」」

ソマンとヒヨンは俯き
笑いを咬み殺すのに必死である
たとえ子であろうと母親である
ウンスの腹のうちを読んだと
知れたなら鉄拳は免れない。
ことウンスに関しては、父親は譲る気は
まったくないからだ。

「ソマン…どうだ?新房覗きは
どうするんだ?…なんなら
このブジャンが指導してやるぞ
おまえもチェ家の嫡男だ
この地のよき風習は受け継いで
いないとな」

「「・・・」」

「バシッバシッ」と
間髪入れず鉄拳をお見舞いしたのは
チュンソクとサムであった。

「いた、たたたっ・・・サム殿まで
それはないでしょうに・・・ア、アル
なんとか言ってください」

トクマンは後頭部を擦りすっかり
涙目で、アルの腕を擦る。

「トクマン様!上護軍様と奥方様の
婚儀をお忘れですか?アルは
はっきり覚えておりますよ
酒に酔いどれ程悪態を晒したか」

「ドキッ」っとトクマンの身体が
硬直する。思いおこせば・・・

「ソマン。い、今の話はなかった事に
戯れだ・・気にするな。」

『トクマン!ブジャンになっても
頭の中は成長してないな』

「え~とですね。包み隠さず
トギ先輩の指を訳すると・・・」

ポンが話終えるとトギは、ふんっと
横を向く。

「でも・・典医寺でおしめを嫌がり
奥方様の私室から、診療棟へ突然
現れ、立ち上がった時には
見てはいけない物をみたんでしたね
あの若様が
もうこんなに成長されて奥方を
お迎えするんですから…私たちも
歳をとる訳です。」

「ポンだったかい?そうかい!
ソマンはそんなことを…
知らなかったね…だけどさ
ヨンの息子だね・・やることが
大きいわ…ガッハハハ」

マンボ姐さんの豪快な笑いが
中庭へ響き渡る。



もう一話お付き合い下さいませ

新婚初夜ですが…ソマンとスンジャは
横において…ヨンとウンスの
仕置きのシーンを明日の夜に
お届けできるはずです。



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