木春菊  [偕老同穴] 89 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています




ヨンら高麗軍が、海岸線まで赴き
ウンスは役目も終わり、チョンスが
御者を勤める迎えの馬車に
おなごばかり揃って乗り込む。

アルとヘジンは武閣氏だからと
固く辞退してはいたが
ウンスに「今からは武閣氏じゃないのよ
だからお願い」と言われ
「はあ…」とため息を吐くと
イルム、サンミとともに乗り込む。

「ソマン、どうしたの?
おとなしいじゃない。」

きょろきょろと皆の顔を見ては
俯き、どうも落ち着きがない。

「・・かかっ・・・し~し~・・」

「まあ~大変!チョンス馬車を止めて
ソマンが教えてくれたの!」

「はい。奥方様」

がたがたと馬車が止まると
一番奥に座っていたウンスは
みなを先に降ろし馬車を飛び出す

「男の子だからソマン、外でするわよ
緊急事態だから。えっとどこか
ないかしら」

ぞろぞろとウンスのあとをついてくる
皆がばたばたと路地を探す。

「医仙様~~!こちらの路地が
人目に付き難いかと。」

「え?そうね。ありがと
ソマンまだ大丈夫?走れる?。」

ソマンが、こくりと頷くと
アルの方向へと駆け出し
ウンスはパジの紐を急ぎ手解き
足元まで一気に下げる。

「ぎゃぁ」

「恥ずかしがってる場合じゃない
でしょ・・なんとか間に合った
みたいね。」

自身で用を済ます事が初めて出来た
ソマン。ぼ~と感傷にしたっている。

「ソマン。・・良かったね~
一人で出来たわね。まだまだ失敗する
だろうけどがんばろうね。」

こくりと頷くと
しゃがみ込んでいた腰を浮かせ
恥ずかしそうにパジをあげる。

「みた?ソマンのおちり(お尻)みた?」

振り向き様に皆にそう問う

「ふふふ…恥ずかしいの?ソマン
一人で出来た事が肝心なんだから
誰も見てないし、恥ずかしがらないでも
いいのよ。胸を張りなさい」

「ほんとっ?」

「もちろんよ。ふふふ」

イルム、サンミには
いつもおしめを替えて貰うため
慣れっこではあったが
アル、ヘジンには
初めての事。ちょっぴり恥ずかし
そうに、ウンスと手を繋ぎ
二人の前を横切り馬車へと乗り込む

「愛らしいこと…はよう赤子を
授かりたいもの・・・」

「ええ…本当に」とヘジンの言葉に
アルもつい本音を漏らすのである



ぎゅうぎゅう詰めの馬車の中
ソマンは「おちりみた?」を
アルとヘジンに何度も問い、それに
返す形で、話に花が咲きあっと言う間
に屋敷へと着く

スンジャの泣き声であろう
屋敷の中から
元気な泣き声が漏れ聴こえる。

「ふふふ。スンジャが来ているわよ
さあ。おりましょうか」

「すんじゃ?」

「ええそうよ。ソマンは初めて
だったわね…まだ小さな赤ちゃんなの
おいたしたら駄目よ」

こくこくと頷くき馬車を降り
門をくぐる。

「ただいま…」

「えぎょん!し~し~できた!
けど・・・おちりみられた」

ソマンはエギョンの顔を見るなり
胸を張り嬉しそうに伝える。

「若様!し~し~出来たので
ございますか?奥方様。真で
ございますか?」

「ええ。ほんとうよ…教えてくれたから
間に合ったわ。ふふふ」

「若様・・・・」

エギョンは感極まりほろりと涙を
流す。主がおらぬ屋敷を
チェ尚宮からの願いで守っては
来たが、旦那様が奥方様を
連れて戻り若様がお生まれになり
もうおしめも外される・・・
使用人の私らまで幸を運んでくださる
主に頭を下げずにはいられなかった

「えぎゃん…ソマンのかぞく
だからなくな~」

「若様~」

おそれ多いことではあったが
エギョンは、たまらず膝ま付き
ソマンを抱き締めていた

「ぎょっ…」

「ソマンお帰り、家族?私も
いれてよ」

いやいやと眼を見開き何度も首をふる
ソマンであった。



ポチっとして下されば嬉しいです




にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村