木春菊  [偕老同穴] 90 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ぎょっ!」

暗闇の中現れたのはサルムだった…

「ぎょっ。じゃあないでしょう…ソマン
こんばんはわ?」

「・・・おやちゅみ・・・」

そう呟くと
出迎えたサルムを残し
ウンスの手をひき屋敷の中へと
姿を消す。

「・・・まったく。手強いわね
ヨンと一緒。血筋は争えないって
ことね・・・よ~し!絶対手なずけて
見せるんだから!俄然燃えてきたわよ」


「元気に泣いているわね…ふふふ
健康な証拠よ。お乳もちゃんと飲めて
いる?」

「ええ…お陰さまで…煩くてすみませぬ
私は離れですごそうかと
夜泣きも致しますし」

「お客様を離れなどに寝かせられない
わ。赤子は泣くのが当たり前でしょう
気にしないで客間で過ごして…ふふふ」

「・・はあ・・」

「すんじゃ・・ちいちゃい・・」

「そうね。母も父もここから始まった
のよ。みんな始めは赤子だったのよ」

「とと・・?」

「ふふふ。そうよ」

ソマンは驚き頭の中が混乱する
予想もつかないのであろう
父以外の大人を見ることはあるが
その中でも一際大きく逞しい

「ととがぁ?・・・」

「ええ・・さぁエギョン
お腹空いたわ。夕餉をお願いできる?」

「はい。すぐに」

ばたばたとエギョン、イルム
サンミが厨房へと消える中
ウンスは、ソマンの手をひき
湯殿へと向かう。

空元気なのは自分でも分かってはいる
だが、ソマンを育てなくてはならない
泣いてばかり、案じてばかりは
いられない。そう己に渇を入れ
ソマンを慈しみの眼差して見つめ
その手をきゅっと繋ぐ。

「かか?」

「大丈夫よ。ソマンが居るから
父がもどるまで笑顔を忘れないわ」

ウンスの揺れる気を感じとり
ソマンはじっとウンスを見上げ
その瞳を覗き込む。
ヨンと遺伝子を受け継いだのあろう
黒曜石の瞳が、ヨンを思い出させ
切ない・・・

湯殿で身を清め居間へと戻ると
皆が卓に付き二人が戻るのを
待っていてくれた。

「まあ~先に食べてくれて
良かったのに、待っていてくれたの?」

「もちろんです。チェ家の女主は
奥方さまですから」

サムの言葉に皆が大きく頷くと
楽しい夕餉が始まる。
いつもの質素なものばかりの膳では
あったが、エギョンの料理は胃袋を
満足させる。

「ソマンと二人だったら寂しい
夕餉だったはずよ。やっぱり大勢で
食べると美味しいわね」

「はい。こちらにお邪魔できたければ
アルも私も一人寂しく夕餉を食して
いたことでしょう・・美味しいです」

ヘジンがしみじみ呟くと…

「ソマンとスンジャが居れば
笑って過ごせるわよ。そうでしょう
ソマン?」

「・・まんま・・おいちい・・」

「あら…ソマン?サルム姐さんを
無視するの?そんなひどいこと
するんだ~母は好きなんだけどな~
サルム姐さん。気さくで飾らなくて
母が好きでもソマンはきらい?」

「・・ぎょっ!?かか…すき?
・・・ソマンは?」

「もちろん父とソマンが一番よ
サルム姐さんもソウさんも
アルもヘジンも大切な仲間として
好きなの。・・ふふふ」

「・・なかま?・・」

ソマンは「う~ん」と
難しい顔をし考え込むのである

「ふふふ…ソマンにはまだ分からない
わよね。もう少し大きくなれば
わかるわよ。」

半刻ほど会話も弾み楽しい夕餉が
終わりを告げると
チェ尚宮がミントを伴いふらりと
チェ家を訪れる。

「おばば---」

「もう~叔母様・・
庭からなんて驚きました」

「すまぬの~ソマンを驚かせようと
思うてのぅ。だがソマンにはやはり
効かぬようじゃの…じっと庭先を
見ておったであろう?」

ソマンはそう叫び、椅子を降りると
叔母の足元までてくてくと
駆け寄り嬉しそうに
手を差し出すのであった。



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