木春菊  [偕老同穴] 21 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「久しぶりにお役目に付くと
足腰に堪えますね」

「そうであろうのぉ。義姉様…ご無理を
なさらずゆるりとお身体を慣らし
刻を過ごして下され・・・」

「ふふふ…ありがとうございます。
そうさせて頂きます。先に診脈させて
下さいね。」

ウンスは坤成殿へと脚を運んでいた
王妃様の診脈をし、御変わりが
ないことを確認するとお付きの女官に
抱えられ王子様が姿を現す

「王子様は侍医が診てくれておるのだ」

「そうですよね…顔色もよく健やかな
ご様子で安心致しました」

「義姉様?ややはどうしておるのです
王子の遊び相手にはなれぬかのぉ
チェ尚宮ちいと連れて参れ
幼子同士気が合えばよいのじゃがの」

王妃様に命じられチェ尚宮は
武閣氏を呼び
ソマンを迎えに出向かせる



じきにサンミに抱かれ
ソマンが顔を出す。ウンスの顔を
見つけると、満面の笑みを浮かべ
嬉しそうに
両手をウンスに向かい差し出す

「おとなしくしておりました。
奥方様のお着替えになった
衣をぎゅっと握りしめそれはそれは
健気に堪えておいででした。」

「まあ…ソマン・・・寂しかったの?
泣き声も聴こえないから
眠っているのかと思っていたのに
おいでソマン」

ウンスの肩に顎を乗せ上機嫌のソマン
じぃっと見つめる先には
王妃様に抱かれる王子様がいる
わずか二月(ふたつき)しか
変わらぬ二人。王子様もソマンを
見つめていた。

「あら、お互い気になるのかしら」

「医仙…ソマンには遊具は与えて
おらぬのか?」

「エギョンとチョンスが、木材を端で
色んな物を作って与えてくれています
でもまだ幼さ過ぎて
口に入れてしまうので
持たせてないんです」

「そうであろう。王子も握るものすべて
口に運びたがるのじゃ。」

「赤子は、口にいれ自分で確かめて
いるのかもしれません…悪いものが
遊具に付着している可能性も
ありますから、面倒でも一回一回煮沸
消毒して下さいね…えっと・・・
熱湯に入れ、何かに取り出し冷まして
清潔な布で覆い保管していて下さい」

「相分かった。徹底させる故
ところで、話はまだ耳に届いては
おらぬか?」

「ええ…なんにも・・・」

「・・あやつが、戦に赴かねばならぬ
やも知れぬ・・・」

ソマンを抱き締める手に、一瞬
力が籠る・・

ソマンは人の心を読む。
不安に揺れるウンスの心に
寄り添うように、じぃっとウンスの顔を
覗き込む・・・
言葉を吐き出すこともままならぬ
もどかしさからか…ウンスの揺れる
心を読みとりソマンも不安にかられ

(とと------)と、ヨンに・・・
呼び掛けていた。




「ん?…ソマン!!」

トクマンをこてんぱに打ちのめし
息も切らさず練兵場に佇むヨン

「チュンソク!あとは任せる」

ぽんと木刀を投げ渡すと
ウンスの気配を頼りに駆け出して行く。

残された埃まみれのトクマン…

「・・はあ~はあ~。護軍・・・
これでしまいと言うことですよね?」

「そのようだ…されどトクマン!
いつも言っておろう?一言多いのと
空気を読め!厠と閨を間違えるなど
あり得ぬわ!!」

チュンソクは、そう言うと
大の字になり天を仰ぐ
トクマンを睨み付ける。



「医仙がおろう?」

坤成殿へと血相を変え姿を見せた
大護軍に、武閣氏のヘジンは慌て
ふためく。

「はい。お見えになられております
暫しお待ち下さいませ」

ヨンに一礼すると中へと声を掛ける

「入って頂きなさい」


「貴方!!」

ソマンを抱いたウンスが立ち上がり
戸口へと歩みよる

「ウンス…ソマンが俺を呼んだ
ようだが、如何したのだ?」

「え?…ソマンが・・・」

「紅巾の事を伝えた故…ウンスの動揺を
感じとったのであろう」

「・・・・」

ウンスは、ソマンと同じ顔をしていた
瞳には涙を滲ませ…泣くまいと
ぐっと唇を結び
ヨンを無言で見つめていた。

「王妃様。医仙をお送りたく・・」

「分かった。しかとお送りせよ」

ソマンを受け取り、ウンスの肩を抱き
典医寺へと向かうのである



「ウンス・・俺の口から伝える
つもりでいたものを・・・
西京まで赴かねばならぬやも知れぬ
されど…必ずや戻る・・貴女とソマンの
もとへ」

ウンスの私室…狭い寝台の端に腰掛け
ヨンはそう呟くと、ソマンを間に挟み
長い腕をウンスの背にまわし
ぎゅっと抱き締める。


「待ってる・・・ソマンと一緒に
怪我なんかしたら許さないわよ
必ず。必ず戻ってきてよね」

「ああ。むろんだ・・・先発隊で
事が成し遂げられれば行かずに
すむのだが…そうもいくまい」

戸口の外で警護に立つ
ミント。アル。イルム。サンミも
ヨンが無事に戻るまで必ずや
守り通すと心に誓うのであった。



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