木春菊  [偕老同穴] 19 | シンイ二次小説でんべのブログ

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暫し寛ぎ時が過ぎた頃
どんどんどんと飛びはねているのか
客間のほうから煩いほど
地響きをさせ、トクマンが顔をだす。

「大護軍…俺なんで縛られて
いるんですか。酒に酔い厠へ行った
ような・・・」

夜も更け長椅子で眠っていた
ソマンが、トクマンの声に反応するかの
ように、ぱちりと眼を開くと…
「ぶぶぶっっ!」と唇を震わす。
ウンスが抱き上げると、戸口で佇む
トクマンをぎろりと睨む。

「わっ・・・また睨まれた・・
俺…何もしてないですって…多分
ん?お、王様。王妃様!!」

「テマン。縄を解いてやれ」

長椅子の下に、ウンスとともに
座っていたヨンが命じると、テマンが
頷き縄を解く。

トクマンはお二人を目にとめると
片膝をつき頭を垂れる。

「そなた。余にぶつかったであろう
骨が折れたかも知れぬな…あ、痛いの~
王妃…この迂達赤どう罰を与えればよい
かのぉ~」

「王様…今宵のことは口にできる
立場ではございませぬ。大護軍に
お任せせねば・・・」

「おお・・そうであったのぉ
どこぞの酔っぱらいは、聴くところに
よると閨に入ろうとしていた様子…
きつい鍛練が待っておろうのぅ~」

王様のお言葉が、どこか遠くから
聞こえるトクマン・・
頭の中が真っ白になり、ぶるぶる
震え顔面蒼白になる。

「トクマン!」
「ぶぶぶっ!」

低く重い親子の声が重なる

「み、見えてません。決して覗いて
いません!ただ灯りが揺れていたから
厠だろうと勘違いをしたんです
ほんとうにそれだけです。でもなんだか
びりびりとして、意識が途切れた気が
したんですが・・・」

「ヨン。お前がやったのか?」

「叔母上。その話は後程」

トクマンは、身振り手振りを交え
懸命に身の潔白を伝える。
びりびりと言う言葉に、叔母が
顔を曇らしヨンを見遣るが
後程と言われると次の言葉を飲み込んだ

「トクマンさん。こんなことも
あるかもと薬です…飲んで下さい
ですが…特別な薬ですから
すご~く苦いですよ」

「へっ?苦い・・・」

「はい。のたうち回るほど・・・」

ポンがそう言って、真顔で
トクマンの手のひらに乗せた丸薬は
不気味なほど真っ黒く、ぷにゅと
柔らかいものだった。

「こ、これは何が練り込んであるんで
すか?」

「・・・秘密です。でも身体に
害の有るものではないので・・」

ポンは悪戯な笑みを浮かべる

「トクマン!薬医員がわざわざ
持ってきてくれたものを、無下には
すまいな? どれだけ苦くとも迂達赤
たるもの一気に飲み込め!テマン
吐き出さぬよう見張っておれ」

「・・・俺がですか?・・・
分かりました・・まったく。トクマン
飲み過ぎなんだよ!早く飲め!」

テマンが茶を取り渡すと
トクマンは、顔を歪め一気に丸薬を
飲み茶で流し込む。

「げほっげほっ・・」

トクマンは涙目になりながら
口元を手のひらで拭う

「大護軍…せっかくの百日祝いに
水をさす出来ばかり
すべて某の不徳の致すところ
部下の不始末は、上官である某の咎
・・・・」

「チュンソク!己を責めるのはやめよ
律儀なお前のこと、そう言うと
思うてはいたが、お前を責めるつもりは
毛頭ない」

「そうです…旦那様!酒は楽しく
飲むもの、深酒はトクマンさんの
責任でございます。旦那様には
関係ございません!」

「サム…そうであろうか・・・」

チュンソクは不安気にサムをちらりと
見つめ、ぽつりと呟く

「護軍!それはひどかろう?
余と王妃の来訪も水をさす出来事か」

「・・・・それは・・・」

王様がちいと拗ね気味で
チュンソクに問うと
その場に居合わせた皆から、どっと
笑い声が溢れた




時が過ぎ夜も更ける頃
楽しい宴は、そろそろお開きと
なろうとしていた。

「すまなかったの・・・世話になった
余も、王妃の喜ぶ顔が見れて
嬉しく思う。だが皆には迷惑を
かけたな・・すまぬ・・そろそろ
戻るとしようかの…王妃参ろうか?」

「はい…王様のお陰で楽しゅう
ございました。」

王妃様は袖口で口元を覆い
優雅に微笑まれていた。

「皆。戻るぞ…長居は無用じゃ
赤子を眠らせてやらねばの・・・」


その一言で皆が立ち上がる。
夜風は身体に障ると馬車が用意され
王様と王妃様は、禁軍と迂達赤に
がっしりと両脇を固められ王宮へ向け
暗闇の中が姿を消した。

それを見送りチュンソクとサムも
屋敷へと戻って行く。

侍医。トギ。ポンら典医寺の仲間も
各々が帰路につく

すべての客人が戻るのを見届け
静まり反った屋敷へと踵を返す

「エギョン、片付けは明日にしましょう
もう夜も遅いし…今日はご苦労様。
私達も休ませてもらうわ。」

「はい。分かりました…お休みなさい
ませ」

ヨンがソマンを抱え、空いた片方の手で
ウンスの手を握り閨へと下がる三人。


大きな寝台の端にソマンを優しく
おろすと、ウンスがおしめを替え
乳を与える。

「ヨン・・・そんなじっと見ないでよ
恥ずかしいから…」

「・・・ウンス・・・もうよいのでは
ないのか?」

「へ?・・・」

ソマンが生まれ口づけは交わしても
ずっとヨンが我慢を重ねていることに
ウンスは気づいた。その熱い視線を
目の当たりにすると、申し訳なさで
いっぱいになる。されど一抹の不安は
ある。乳が出るこの身体を
受け入れて貰えるか・・・体型が崩れ
嫌われるのではないか…

「ごめん…観ての通り胸からは乳が
出るけど嫌わない?体型もまだ戻らない
けど…嫌にならない?・・・」

「嫌いになどなれる筈がなかろう
俺の子を生み、育てるための大事な
乳ゆえ…ちとソマンから借りたいが…」

「もう・・恥ずかしい」

「寝台ではあれだな・・・」

ヨンは、嬉しそうにせっせと
床を敷くのであった。




う~ん。間に合うかな~分かりません
が、頑張ってみます!


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