木春菊  [偕老同穴] 証105 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「せっかく暇をもらったんだから
今のうちに、おしめを縫って
おかないと…エギョン悪いけど
準備してもらえる?」

「奥方様…おしめならたくさん縫って
あります。サンミとイルムも
手伝ってくれましたので捗りました」

朝餉を終え、ヨンの出仕を見送り
ウンスは、屋敷の居間でお茶を啜り
エギョンらと、他愛のない会話を
たのしんでいる

「んだ~奥方様は下手くそだべ
だから…おらたちが縫っただ」

産所として使おうとしている客間から
サンミが篭に入ったおしめを運んでくる

「まあ…こんなに?みんなで縫って
くれたのね…ありがとう…嬉しいわ」

篭の中には、ざっと見積もって
百枚はおしめが畳んで積んである

「じゃあ産着を縫うわ・・・」

「それが…奥方様・・・産着もですね
このように・・・」

サンミが恐縮しながら、産着を
別な篭の中から取り出す

「・・・どうせ、私は不器用ですよ
でも…人を縫うのはお手のもの
なんだからね・・・ふん!」

「重々承知しております…奥方様
私達にとっても、とても楽しみな
赤子の誕生ですから、このくらいは
させて下さいませ…」

「せっかく暇を頂いたのに・・・
する事ないじゃない?…一枚だけでも
作るわ…」

ウンスは、はち切れんばかりのお腹を
抱え客間へと移動する
愛しい我が子への初めての贈り物は
産着と決めていたらしいが・・・

「痛っっ・・・!」

ウンスが大声を出す度に、そばにいる
三人の女人が、眉間に深い皺を刻み
すり寄ってくる

「これ以上お止めくださいませ
指が使い物にならなくなります」

「このくらい平気よ、この針が
太すぎるのよ…」

ウンスは先ほどから、二枚の布を合わせ
並み縫いをしているのだが…
右手で二針縫えば、左手の親指に
針を突き刺していたのだ

どれだけ不器用なのかと、エギョンらは
苦笑いを浮かべるしかなかった・・

「はぁ---産着もまともに縫えなくて
何が母親よ・・・もっと器用だったら
みんなに迷惑掛けずに済むのに…え?
どんまい?それとも渇をいれてるの?」

ウンスが、盛大にため息とちょっぴり
拗ね口調で愚痴を溢していると
腹の赤子が大暴れし出している

「痛っっ・・・ごめん愚痴を溢すなって
事かな…分かったわよ・・・」

ウンスは腹に手を当て撫でながら呟く
それでもより一層繰り上げる赤子…

「ん?・・・どうしたのかしら
普段なら…すぐに大人しくなるんだけど
何かを知らせてる?生まれるの?
それとも危険を知らせてる?」


「誰だ---!!」

庭でテマンの大声が屋敷の中まで
響き渡る



一方 宣仁殿にてヨンは人払いを
王様に願い出ていた


「して、大護軍人払いはしたが
込み入った話なのだな」

「はっ!ひとつ王様に願いの義が
ございますれば」

「なんじゃ申してみよ」

「はっ…侍医のことでございます
侍医の親御であるジオンが、事を
仕出かした折り、侍医に咎めが
降り掛からぬようにできないものかと」

「イム家は貴族のはしくれであったの」

「いかにも…」

王様はそう呟くと腕を組み考え込む

「医仙殿に、長きに渡り暇を与えた
ばかりじゃ…侍医も不在となると
典医寺も回っては、行かぬであろう
王子も生まれて、まだ二月(ふたつき)も
立ってはおらぬ…何時なんどき
病にかかるとも限らぬ故の…」

「はっ…そこが肝要かと存じ上げます
某からの願いの義は------
でございますれば、何卒お聞き届け
頂けますようお願い申し上げます」

「そうじゃその手があったのぉ   
それならば、侍医に害は及ぶまい
すぐに差配せよ」

「はっ!では戸部にてすぐに」

ヨンは王様に一礼すると、宣仁殿を
下がる



珍しく叔母が息を切らし飛んでくる
その形相に、ヨンは胸騒ぎを覚える

「如何した叔母上!」

「サルムから鳩が飛んできたのだ
すぐに屋敷に戻れ!」

叔母が手渡した小さな紙の切れ端に
目を通すと、ヨンの形相も豹変する

「叔母上頼みがある!戸部へ赴き
-----を、急ぎ頼む!」

「分かった…すぐに済ませるゆえ
早よう参れ!」

ヨンは、叔母に事の子細を手短に聞かせ
あとを託す

「王様と侍医には伝えておく!
ウンスを必ず護れ…」

「言われなくても分かっておる」

ヨンはそう言葉を吐くと
あっと言う間に姿を消す

厩舎に顔を出し、愛馬に跨がり横腹を
ひと蹴りすると降り積もり固まった
雪の上を颯爽と駆け出して行った



戸部(コブ)…戸籍に関する部署
使い方合っていますか?
色々調べはしていますが難し過ぎて
いまいち理解不能な私です
皆様の広~~い心でお読み頂けたら
幸いです(明日も同様でお願いします)

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