木春菊  [偕老同穴] 証 92 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ならば…たいふうと言うのだな
この時期は、そのたいふうが何度が
なんどか襲うぞ…故に材木問屋が
至急必要だった訳だが…」

湯殿からウンスと二人湯浴を済ませ
テマンを兵舎に走らせ、着替えを
運ばせ二人はウンスの私室に戻っていた

白い医員衣は脱ぎ捨て
出仕してきた衣に着替えた
テマン、ミント、アルも交代で
湯浴を済ませ、台風が過ぎ去るのを
私室で待つ事になった

「これじゃ、今夜は戻れそうにないわね
みんなで雑魚寝でもしましょうか?」

「とんでもございません…私達は
戻りますので、大護軍様とテマンさんに
お任せしても?」

「ミント駄目よ…
回廊が通れないんだから
また庭に出ないと戻れないのよ
せっかく温まった身体を濡らす気?」

「・・戻りましたら湯浴を致せば
済むことですから」

「大護軍、なら俺が二人を送り
そのまま屋敷に戻ります」

「テマン、屋敷までは遠いから
無茶しないでよ…余計心配に
なるじゃないの・・・」

ウンスは眉を潜めテマンを見つめる


「医仙様?俺は山で何年も過ごしたん
です…こんな風雨何度も見舞われて
きました、へっちゃらです…それに
屋敷も、チョンス一人では大変だと
思うので・・」

「テマンすまぬが頼めるか、屋敷も
古い故チョンス一人では、心細かろう
だが…無理をするな!よいな」

「はい・・大、大護軍奥方に容易く
触れてしまいすみませんでした
トクマンみたいに怒らないんですか?」

「怒る訳がなかろう…この方を
いち早く安全なところにと、考えて
くれたのだろう?感謝しておる」

緊張し張り詰めたテマンの背が
一気に丸くなり、あからさまに
安堵の表情を浮かべ、白い歯を見せ
にっこり笑う

「じゃあ…行ってきます。飯は
どうしますか?」

「テマンさん… 夕餉はこちらで
用意を致します。ですので、お気に
なさらず」

ミントはテマンを見つめながら呟く

「分かりました。じゃあ行きましょう」



三人は風雨の合間を見計らい
ヨンとウンスに一礼し、私室を後にする

「今日は戻れそうにないわね
屋敷は大丈夫かしら…イルム、サンミ
なんかは震えているんじゃないかしら」

「ウンスはどうなのだ?」

「女人はみんなちょっとは、怖いん
じゃあないかしら?私も泣きわめく
まではしないけど…雷が鳴れば
肩を竦めるかしら・・・天災って
ほんと嫌いだけど」

「・・地の神の怒りをかえば、地は揺れ
天の神の怒りをかえば、このような
風雨が強くなる。そう皆に浸透して
いたが、流石は俺のウンス…たいふうと
教えてくれた…地が揺れる事は?」

「あ、地震って言うのよ…プレートが
何枚も重なっていて・・・・」

ウンスは身振り手振りで、地震の
仕組みを説明する。だが天界の
テレビニュースを見ての知識しか
持ち合わせていない…

「専門家じゃないから、詳しく
わからなくごめん」

「構わぬ…それが分かっただけでも
策が練れるやも知れぬ故」

「だと良いけど…ふふふ」

ごろごろと遠くで聞こえだしていた
肩を竦め、窓を睨み付けるウンス

「ヨンが一緒だからぜんぜん怖くなんか
ないけど…雷の音はやっぱり、わっって
なっちゃうのよ」

寝台の端に腰掛け
背後から、ふわりと包まれている

「大丈夫?ヨン疲れない」

「ウンスの重さなど紙の重さと等しい
まったく感じぬ故…案ずるな」

「例えが極端すぎるわよ、今は妊婦だし
重くなってきてるはずだわ…ふふふ」

ヨンは、そっとウンスの腹に手をおくと
赤子がぽんぽんと蹴り返す

「なんだか…挨拶しているみたいよね
ヨンが手をおけば、必ず蹴り返して
くれてない?」

「ふっっ、父と分かっておるやも
知れぬな…おのこならば名を決めて
おるのだが…おなごなら貴女が決めて
ほしい」

「え!ほんと?私が決めて良いの」

ウンスは瞳をぱぁ~と見開き嬉しさを
露にし、顔をずらしヨンの顔を見つめる

「ああ…構わぬ・・ウンスのように
心根のきれいな女人に育って
ほしいと思っておる故…名付け親を
任せる」

「嬉しい---女の子ならなんて
付けようかな…私が恩修だから・・
ふふふ…楽しみ、じっくり考えようっと
男の子ならなんとつけるつもり?」

「教えぬ・・」

「あ!ひどい---」

ウンスは、ぷぅ~と頬を膨らませ
ヨンを睨み付ける真似をするが
膨らんだ頬を、ヨンは人差し指で
突っつき愛しそうに見つめている

何度も口づけを交わし
外の嵐が嘘のように、室内は温かい
空気が流れているようだ…


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