木春菊  [偕老同穴] 証91 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ああ~やっぱり降りだした」

ウンスの好きなぽつりぽつりと
降りだす雨ではなく、いきなりばけつを
ひっくり返したよなどしゃ降り
である

ヨンも叔母も、それぞれ役目にもどり
ウンスは、診療室の扉を開け
独り言を呟き、恨めしそうに灰色に
覆われた空を睨み付けていた

「雨足がひどくなる前に、お屋敷に
戻れないものでしょうか?医仙殿が
雨に打たれ身体を壊されたら
困りますゆえ…」

「え?そうね…あの人は例え護衛を
付けても、こんな嵐の日は返さないと
思うわ…だから遅くなっても
待ってるつもりよ」

イム侍医の声が、背後から突然聞こえ
ウンスは驚き、振り返りながら答える

「ならば、部屋の方でお待ち下され
嵐がひどくなりますと、典医寺から
部屋まで戻るのも、難儀になりましょ
う」

「そうね…そうさせて貰えると
ありがたいけど、みんなは大丈夫かしら
帰れない人も出てくるんじゃない?」

「各々で決めることと致しましょう
留まる者は、診療用寝台を解放致します
医仙殿は、早ようお戻りを」

「お言葉に甘えさせて頂くわ
みんなも気をつけて、なるべく
嵐が去るまで、無理をしないで
お願いよ」

ウンスはそう言うと、武閣氏に護衛され
ながら私室へと向かう
ウンスの世で言う台風なのだろうと
思っていたが、説明をどうす
べきか悩むところであった

「ごぉ--ごぉ--」と風が唸り声を
あげる。
私室へと向かう回廊を進む中、庭の木々
は、大きく揺れ三人の身体が
吹き飛ばされそうになる

「医仙様…私達におつかまり
くださいましせ…風に飛ばされでも
すれば大事になります」

「大丈夫よ…このくらいの暴風雨
何度も体験したわ、これは多分台風と
いうのよ、時期的に暑い夏が終わり
秋が深まる頃発生するのよね…
まれに早い台風が
来るときもあるけど、王宮の中で災害に
見舞われた事はないのかしら?」

「台風とやらかは存じあげませんが
このように、激しい雨風通り過ぎた後に
あちこちで修復している光景を
見かけております」

アルが話す最中、みしみしと不気味な
音が、みなの耳に届く

「医仙様!急ぎ参りましょう」

「ええ…変な音がしたわね…
こんな急変するなら典医寺にいた方が
良かったかしら…」

長い回廊を抜けると、階段があり
その先にウンスの私室がある

ミントとアルは、ウンスが飛ばされない
ようにと、両側から腕を組み
間に挟む形で先を急ぐ

「みしみし」と三人の後を追うように
回廊に亀裂が入り、突風に煽られ
ばたばたと揺れ出す

「医仙様!危ない---」

「え!きゃっ----!」

テマンが、びしょ濡れになりながら
どこからか叫び、あっと言う間に
追いつきウンスと武閣氏を
どしゃ降りの嵐の中迷わず庭へと
連れ出す…風雨で視界が遮られる中
眼を凝らすと、たった今歩いていた
回廊の床板が、突風に煽られすべて
剥がされていたのだ

「あ、危なかった・・・テマン
ありがとう…助かったわ」

「そんな事はどうでもいい、早く
部屋までお連れしてくれ…風邪を
引かれでもすれば・・・」



テマンは、このまま抱き抱え己が
部屋までお連れする方が早いと
考えていたが、触れて良いものか
一瞬考え混んでしまう

「ええぃ!どうにでもなれ!」

そう己に言い聞かせ、ウンスを
横抱きに抱えあげる

「へ?重いけど…大丈夫だから・・」

戸惑うウンスに、耳を貸さず
一目散に部屋へとむかう


後わずかのところで、すっと黒い影が
背後から近づく

「テマン!世話をかけた…」

「・・・大護軍!」

慎重にウンスを運んでいたためか
ヨンの気配に、まったく気が付かず
テマンは、突然現れたヨンに驚き
眼を見開き呟く。そしてヨンの腕に
ウンスをそっと渡す

「武閣氏、湯殿の用意を至急致せ!
ウンス・・・大事ないか?・・」

雨が当たらぬよう懐深く抱き抱え
ヨンの言葉も、語尾はあまり
聞き取れないウンスではあったが
こくこくと頷き、雨に濡れ
びしょ濡れのヨン胸に、更に顔を潜り
込ませる

その愛らしい仕草に、ヨンは頬を緩め
見つめながら先を急ぐ




私室に湯殿があったの??
そこ突っ込まないで----
ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ


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