木春菊  [偕老同穴] 証 89 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「チュンソク…二日暇を賜っておる故
ゆるりと屋敷の始末を致せばよい」

「滅相もございません、婚儀のあと
暇を賜るなどと、某の信念に反します」

「あら、私達は十日も頂いたわよ
硬いことは言いっこなしよ…それに
サムさんだって、旦那様とゆっくり
したいわよね?」

「はあ…ですが・・・お役目を
こなさねば、禄が減ります
いずれ赤子もできましょう、今のうちに
しっかりお役目に精を出して
貰いたいと思っております」

「へっ?・・」

ウンスは眼を見開き
素っ頓狂な声をあげ、回りにいた皆も
眼を見開く

「お---護軍、死ぬまで役目を
こなさねばなりませんね…あははは」

殿居明けのハヌル始め、迂達赤の
豪快な笑いが皆を和ませていた

地べた一面蓙を広げ
チュンソク、サムを囲み皆が
酒を酌み交わし、新しい門出を祝う

「大護軍、某が嫁御を娶る日が
来ようとは・・感無量の一言では
表せきれませぬが、サムを泣かさぬ
よう、然と護り尽くす所存にて
お導きのほど、お願い申し上げます」

「・・嫁を娶りもう少し丸くなると
思うたが、変わらぬな…」

「・・・すみなせぬ・・」

「ふふふ…チュンソクさんらしくて
いいんじゃない?人は急には変えられ
ないものよ…そのうち貴方は見たく
なっているかも…モグモグ」

ウンスは、イルムやサンミがせっせと
運ぶご馳走を、次から次へと
休む間もなく口に運び、栗鼠のように
頬が膨らみ、それでも器用に口を挟む

「まったく・・食うなら食う
話すなら話すと、どちらかにせねば
ほら、飯つぶが・・・」

「え?どこよ?」

「・・・ここだ」

ヨンは頬を緩め、ウンスの右の口元に
手を伸ばし飯つぶを取ると、自身の
口に放り込む

「あ、ありがと・・・ふふふ」

「大、大護軍がそのようなことを
なさるとは・・・」

「ん?悪いか?嫁御を大事にせねば
罰があたると言うもの…チュンソク
お前も分かる折がこよう」

「鬼神と言われる大護軍を、このように
変えてしまわれた奥方様が、一番
手強いお方かも知れないな…あははは」

「誰よ----いま言ったの」

ウンスは箸を止めぷぅっと頬を
膨らませそう叫ぶ

「クックッ…間違いではない、俺は奥には
生涯敵わぬであろうな」

「おぉ~大護軍がお認めになられたぞ」

仏頂面で役目をこなし
戦場では、敵を寄せ付けぬ程の
上官が、奥方のまえではこのように
微笑まれ、愛しそうに奥方を
見つめられるのかと、披露宴に参列した
迂達赤は、誰もが改めておもうのである


日が暮れはじめると、明日の役目に
備え、兵舎へ戻る迂達赤を見送り
屋敷には、二組の夫婦(めおと)が残る

「俺が詰める故ゆるりと致せ」

「真に宜しいので?…」

「ああ、離れねばならぬ折りも
出てこよう…ともにおれる折を大事に
致さねば如何する、よいな…サム殿も
そのように致せ」

「はい…大護軍の言葉に従います
チュンソク様…いえ旦那様
改めてよろしくお願い致します」

サムは、チュンソクへと微笑みを
向け僅かに頭を下げる
チュンソクもそんなサムをちらりと
見やり、照れ隠しに「ゴホンッ」と
咳払いを落とす




チュンソクとサムが屋敷に戻り
無事初夜を迎えたのは、言う間でもない

「疲れたか?」

「うん…初めてだったから
ちょっと疲れたかも・・・でも
いいお式だったわね?」

「ああ…」

居間で茶を啜りながらポツリと
答えるヨンの瞳は・・・・

その夜…ウンスが再び組み敷かれたか
どうかは定かではない




短めですが、チュンソクとサムの婚儀が
終わりました…お付き合い
ありがとうございました。




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