木春菊  [偕老同穴] 証 84 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「次はえっと近場で、トギってところ
かしら」

武閣氏の二人は、心身ともに鍛練を
怠らないでいるためか、胸の内を
読む事は出来なかった…トギに狙いを
定め、ウンスは再び瞳を閉じる


「止めよ!!」

ヨンは、ウンスに読まれまいと
気配を消し典医寺を訪れ、椅子に
腰掛けるウンスの背後に回りふわりと
抱きしめ呟く

「え?ヨン?どうして?貴方の胸のうち
入って来なかったわよ」

「俺が気を解放せねば、読めまい
俺の胸の内を読むだけでは、ものたりぬ
か?離れていても読めるのが
分かったのだ…それだけで十分であろう
人の胸の内など読んで如何する?」

「・・ちょっと試してみたくてね…
貴方の役に立てないかって思ったの
重臣の腹の底が読めたら、煩うことも
少なくならないかなって…」

「貴女の手を借りようなど、今までも
これからもあり得ぬこと…ゆえに
定かではないが、ウンスは内功など
持ち合わせぬ身体、負担はかなり
己の身に掛かると思っておいた
方がよい」

「え!ほんと?」

ウンスは、瞳を見開き素っ頓狂な声を
あげる

「俺だけでよかろう?ん?」

「そ、そうね…赤ちゃんの負担に
なるなら、それは母親として避けるべき
よね…分かった約束するわ」

『本当だな?』

「え?本当よ!もうまた~そんなこと
させる…ヨンの方がけしかけて
どうするのよ…ねっ赤ちゃん
困ったお父様よね…ふふふ」

ウンスは、少はし膨らみを増した
腹に手をおき、笑みを浮かべ呟く

「診療室に戻るであろう…送る
一人私室に残しては、良からぬことを
考えぬとも限らん故」

ぷっっと吹き出す武閣氏のミントとアル

「もう~二人まで・・・」

「いえ、大護軍様の血筋のお子様で
いらっしゃいますので
どのような内功を秘めていても
不思議ではございませんが、それを
母君である医仙様が、どのように
お試しになりたいのかと…ふふ」

「だから、もう試さないと
言ってるんだから・・」

ミントの言葉に、ウンスはぷぅっと
頬を膨らませ横目で、睨む真似をする



ウンスを典医寺まで送り
ヨンは、兵舎へと戻る

『ヨンには、ああ~言われたけど
ちょっとだけ試したいわよね…やっぱり
だって、絶対あの人の役にたつはずだし
トギなら大丈夫よね…ふふふ』

「ちょっと薬草園に行ってきます」

ウンスは悪戯な笑みを浮かべ
ひらひらと手を振り
意気揚々と、薬草園から薬房にいるで
あろうトギを物陰に隠れ覗き見る

「トギはどこかしら…あっ、見つけた」

世話しなく薬房の中を動き回るトギを
見つけウンスは瞳を閉じる

『ん?おかしいわね…ミントとアルと
同じだわ…何にも入ってこない…
じゃあ、ポンはどうかしら・・・
ん?やっぱり何も入ってこないわ』

ミントとアルは、薬草園で瞳を閉じ
俯き加減で、立ち竦むウンスが
なにをしているのかすぐに理解できた

お止めしようと、二人は顔を見合せ
頷き合い、一歩前へと脚を踏み出すと
同時にウンスの身体が、左右に
大きく揺らぎ出し、倒れる寸前で
支える事ができた…

「医仙様!!あぶない!」

「・・へ、どうして?」

「お倒れになるところでした」

その一瞬ウンスは気を失い
瞼を開けたときには、アルの腕の中に
いたのだ

「医仙様!大護軍に言われた事を
お忘れですか!身体に負担があるやも
知れぬと、いま試されていたのでしょう
なりません!!」

「お願い、アル?あの人には
言わないで…あの人しか
通じないのが分かったから
もう使わないわ…ちょっと起こして
くれる?」

ウンスを立たせたところにイム侍医が
飛んでくる

「診療室を出たおり、悪戯な顔を
されていたので、気になり
飛んで参りましたが、如何されました?
お顔の色が優れませぬが」

「だ、大丈夫よ転びそうになり
支えてもらっただけだから、そうよね
二人とも…?」

「「・・・・」」

ミントとアルは言うべきかと
返事を躊躇する

「お二人とも、先ずは診脈を…
診療室まで手を貸して下さらぬか」

「だ、大丈夫だから・・・」

「いえ、お顔の色が優れませぬ
医仙殿や赤子に万が一あらば、この命
差し出すくらいでは、済みますまい
これは典医寺の長としての命と
心得て下され」

イム侍医の真剣な眼差しや口調に
ウンスは逆らえず、渋々従い
典医寺へと戻って行く


ウンスが診療室に入ると
ミントが護衛に立ち、アルは姿を消して
いた…


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